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17日からEU首脳会議 日本企業に警戒感 工場生産停止、欧州主要拠点移転…

10/11(木) 22:44配信

産経新聞

 17、18日に開かれる英国の欧州連合(EU)離脱などを話し合うEU首脳会議を前に英国に拠点を持つ日本企業に警戒感が広がっている。協議が合意に達するかどうかは予断を許さず、物流などに大きな混乱が生じる「合意なき離脱」の可能性が高まる懸念もあり、各社は対応に追われている。

 欧州での自動車生産の一大拠点である英国でトヨタ自動車は昨年、小型車「オーリス」など約14万台を生産。しかし同社の英国工場は、合意なき離脱で通関手続きが必要になれば部品供給が滞り、24時間以内に生産停止に至る見通し。トヨタ生産方式では緻密な計画で部品の在庫を必要最小限に抑えているためだ。また英国で年約50万台を生産する日産自動車も「急な貿易システムの変更は英国の産業に対して深刻な影響を与える」と懸念する。

 電機大手では、日立製作所が離脱後の英国とEUとの間の関税の行方に気をもむ。2015年に開設した英北部の鉄道車両工場から欧州各国への輸出を想定しているが、関税が課せられれば競争力の低下は必至。日立はイタリアの傘下メーカーからもEU圏に販売できるが、「2拠点による柔軟な生産体制」(東原敏昭社長)で欧州市場を開拓するという戦略の修正を迫られかねない。パナソニックは今月、欧州本社をロンドンからオランダ・アムステルダムへ移転した。

 ANAホールディングス(HD)や日本通運は「荷主の動向を注視している状況」と口をそろえる。離脱による各社の生産体制見直しでモノの動きが大きく変わる可能性があるうえ、ドーバー海峡通過にかかる新たな手続きで所要時間も増えれば、物流ネットワークも見直す必要が出てくる。

 金融機関も対応を急ぐ。EU加盟国で金融業の免許を取ると、域内で営業できる「単一パスポート」を英国で取得している三井住友銀行は、英離脱後も欧州域内で事業を継続するため、独フランクフルトに現地法人を設置し、現地で免許取得の手続きを進める。野村HDや大和証券グループ本社などもフランクフルトに新会社を設立する。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が7月に行った在英日系企業の調査では、英離脱による生産体制の見直しについて「実施中・検討中」と答えた企業は22・2%。2月時点の7・9%から大きく増えた。関係者は「電機などの業種では英国の交渉姿勢に見切りをつけている」と指摘。離脱は英国の経済的優位性を揺さぶりかねない。

最終更新:10/11(木) 22:44
産経新聞