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住宅ローンの長期固定金利の上昇と、変動金利の上昇は一致するのか

10/11(木) 8:00配信

マネーの達人

インターネット上では、今回の住宅ローンの長期固定金利上昇を受けて、変動金利も上昇時期が近づいてきた、というような記述が散見されます。

通常の景気回復であればそうですが、今回は少し事情が違いますので、その理由を解説します。

住宅ローンで金利が上昇する時の考え方

住宅ローンの長期固定金利は、長期金利という10年物国債の利回りに、変動金利は短期金利という、無担保コール翌日物金利に連動します。

そして、現在の発達した金融システムにおいては、国債などの取引を行う債券市場において、将来の景気見通しが明るそうだという場合、国債を売って株を購入する動きが強まります。

これが何を意味するかと言えば、国債の値段が下がる、すなわち相対的に利回りが上昇する、つまり利回りに連動する長期金利も上昇し、長期固定金利も上昇します。

そして、長期金利が上昇した場合、いずれ景気見通しの恩恵はインフレを加速させるとの連想から、短期金利も上昇、変動金利も上昇します。

上記のような流れは、景気が回復している米国で実際に起きており、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が利上げを繰り返しているため、米国では長期金利だけではなく、短期金利も長期金利並みに上昇しています。

今回、日本で長期金利が上昇した理由

日本においても、米国のような金利上昇を目指している訳ですが、今回の長期金利の上昇、そして長期固定金利の上昇は、景気とは全く関係がありません。

日銀としては、景気が回復するまでは、とにかく金利上昇を抑え込むために、「マイナス金利政策」を導入しました。

しかし、日本の債券市場においては、日銀が高値で買い取ってくれるとの安心感から国債価格は高止まり、相対的に利回りは低下しました。

これにより、金融機関は国債から得られる配当収入が減少、貸出金利と預金金利が逆転する現象もおき、地銀を中心に収益がかなり悪化しました。

日銀としては、景気が回復する前に、日本で金融危機が起こっては大変です。

そこで、長期金利の上昇余地を従来の0.1%から0.2%まで引き上げることで、金融機関収益に最低限配慮しました。

ただ、短期金利は▲0.1%のマイナス金利を適用するとしており、現在も無担保コール翌日物金利はマイナスで取引されています。

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最終更新:10/11(木) 8:00
マネーの達人

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