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自動車は所有から利用へ。ソフトバンクとトヨタ、次世代移動サービスで提携

10/11(木) 9:00配信

THE PAGE

 トヨタ自動車とソフトバンクグループが、次世代の移動サービスに関する提携を発表しました。両社の社風は水と油とされ、20年前にソフトバンクが提携を持ちかけた際にはトヨタ側が丁重に断ったという過去もあります。なぜ両社は提携に踏み込むことになったのでしょうか。

 トヨタ自動車とソフトバンクは10月4日、次世代型の移動サービスについて提携し、共同出資会社を設立すると発表しました。提携の発表に際しては記者会見が行われ、トヨタ自動車の豊田章男社長とソフトバンクの孫正義社長の両名がプレゼンテーションを行うなど、両社がこの提携に力を入れていることを伺わせます。

 トヨタは、自動車の各種データをネット上で統合管理し、カーシェアやタクシー、レンタカーなどの事業に活用するためのITプラットフォームをすでに開発しています。しかし、このようなITプラットフォームは、利用者の属性など大量の顧客データがなければ最大限の効果を発揮することができません。

 一方、ソフトバンクは米国と日本における大手通信会社の1社であると同時に、ウーバーやグラブなど世界の主要な配車アプリを傘下に収めています。自動車のITサービス化におけるリーダーともいうべき存在ですが、自動車というハードウェアを開発したり生産する体制は持っていません。

 両社が提携し、トヨタが持つ自動車の情報プラットフォームと、ソフトバンクが持つ顧客プラットフォームを合わせれば、自動車のサービス化において極めて優位なポジションに立つことが可能となります。

 具体的には、トヨタが開発を進めている次世代型の電気自動車「e-Palette」を使い、移動中に調理しながら料理を届けるデリバリーのサービスや、車内で診察が可能となる病院送迎サービスなどが検討されています。このシステムはオープンなものですから、海外でも展開が可能です。将来的にはこのプラットフォームを海外に輸出するという戦略も十分、あり得るでしょう。

 トヨタとソフトバンクはどちらもオーナー系企業ですが、トヨタが歴史のある典型的な日本企業であるのに対して、ソフトバンクは孫社長が強烈なリーダーシップで一代で築き上げた企業です。水と油とも言われた2社が本格的な提携に踏み切ったのは、自動車の市場が所有から利用へと急変貌を遂げているからです。トヨタは全国の販売店をカーシェアの拠点とする準備も進めています。近い将来、製品を作って売るだけという従来型の自動車メーカーは姿を消しているかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/11(木) 9:00
THE PAGE