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身寄りのない私を抱きしめた“神様のような人“ 女優は母との約束を果たす

10/11(木) 19:43配信

BuzzFeed Japan

テレビや舞台で活躍するイラン出身の女優、サヘル・ローズさん(32)は、その可憐な笑顔からは想像も付かない過酷な日々を送ってきた。

【動画】身寄りのないサヘルさんを抱きしめた母へのメッセージ

幼少時代より孤児院で育ち、養母となる女性に引き取られた。サヘルさんはその母親を「神様のような人」と語り、今も二人で暮らしている。

お母さんはどんな人なのか。彼女に何を思うのか。サヘルさんはBuzzFeed Newsに語った。【BuzzFeed Japan / 瀬谷健介、貫洞欣寛】

真っ白な部屋で

養子にしてくれた母との出会いの場は、真っ白な一室だった。

それは孤児院の面会室。子どもたちが普段、勝手に入ることを許されない場所だった。

サヘルさんはその部屋を「憧れた夢の部屋」と表現する。

というのも当時、7歳だったサヘルさんは、施設内ではすでに年長にあたる年齢となっていた。

一般的に、養子を望んで施設を訪れる人は、幼い子を選ぼうとする。だから、すでに家族を失い心の傷を負っている子どもたちは、年齢を重ねるほど引き取られづらくなり、自分が「選ばれない」ことを知る。そして、さらに傷ついていくのだ。

あの日、サヘルさんと向き合った若い女性の笑顔は、とても優しかった。差し出された手も、とても柔らかかった。

サヘルさんが忘れていた、家族の温もりを思い出させてくれた手だった。

「その瞳に映るのは、私だけ」

初めて見た彼女にかけた言葉は、「お母さん」だったという。なぜ、初対面の人を自然に「お母さん」と呼んだのか。今振り返っても分からないままだ。

施設で年長の自分は、やりたいことを我慢してでも年下の子たちの面倒を見なければいけない。だけど、この人を見たとき、もう自分は我慢も背伸びもしなくて良いと思えた。抱きしめられ、本当の「お母さん」だ、と素直に思えた。

「私の目を見ているその瞳には私しか写っていない。なんて素敵なことなんだろう。ずっとこの人がいてくれたらって思いました」

ジャスミンはお母さんの香り

「それに、こんなに甘くて良い香りがする人っているんだと。彼女はジャスミンの香水をつけていました。誰にも母の匂いってあると思いますが、私にとっての母の匂いは、ジャスミンなんです」

女性のニックネームも同じく「ジャスミン」だったという。必死に「わたしのお母さんになって」とお願いしたものの、彼女はニコッと笑うだけで、何も返答せずに去っていった。

20代の若さでサヘルさんを養子にするという決断は、容易ではなかったはずだ。

嫌われてしまった。そう後悔しては泣いた。しかし、しばらく時が経って再び会ってくれた女性は「これからは、私があなたのお母さんだよ」と言ってくれた。

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最終更新:10/11(木) 19:43
BuzzFeed Japan

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