ここから本文です

台風24号「塩害」 鉄道トラブル、停電…県内内陸でも 

10/12(金) 9:00配信

茨城新聞クロスアイ

記録的な暴風を観測した台風24号による「塩害」が県内で続いている。台風が県内を通り過ぎた5日後、内陸部で、海から運ばれた塩分が電線などに付着。停電が起きたり、電車が止まったりするなど、塩害が原因とみられるトラブルが相次いだ。東京電力は11日現在も塩害による引き込み線の回収作業に追われている。つくば市では、風が当たる側の葉が薄茶色に変色しているイチョウの木の姿が見られた。 (報道部・吉原宗康、露久保翔、土浦つくば支社・高阿田総司)

■架線から火花
JR水戸支社によると、水戸線と常磐線で5日、架線から火花が出るなどして運休や遅れが相次いだ。午後6時18分ごろ、桜川市犬田の水戸線岩瀬-大和間で、乗客が架線から火花が出ているのを発見。同9時29分ごろには、ひたちなか市東大島の常磐線勝田-佐和間で「架線から火花が出ている」と通報があり、両線は点検のため一時運転を見合わせた。同支社は「台風24号の影響で、架線に塩分が付着したことが原因」としている。

東電によると、塩害は塩水が電気を通しやすいために起きる現象。雨がやんだ後も台風による強風で、吹き付けられた海水の塩分が洗い流されず発生する可能性があるという。担当者は「台風の場合、強い雨で(塩分が)洗い流されることも多い」という。

ただ県内は1日、台風24号による暴風が吹き荒れた後、各地で真夏日となった。暴風で海水が巻き上げられ、水分が蒸発して塩が残ったとみられる。このため、本県のほか、東京や神奈川、静岡でも塩害により鉄道のトラブルなどの被害が出た。

■引き込み線も
東電によると、架線や電線から火花が出るのは、電線を電柱に固定して支えるための絶縁体「碍子(がいし)」に塩分が付着することで絶縁機能が失われるため。塩害対策として東電は碍子に塩分が付着しにくい素材を採用している。

県内は10日までに、電線から住宅などへの引き込み線の発火が相次いだ。塩害が原因とみられ、龍ケ崎市や常総市を中心に2千件もの通報があり、停電もあった。東電は、引き込み線の回収作業に追われている。担当者は「被害が広範囲に及んでおり、手が回らない。東京などから(作業員の)応援をもらって対応している」と明かす。

■木が半分変色
つくば市内では、半分の葉が薄茶色に変色したイチョウの街路樹が確認されている。県道沿いに植えられた同市西平塚の数十本のイチョウの木で、風がよく当たる側の半分の葉が薄茶色、反対側の半分が鮮やかな緑色という奇妙な姿になっている。

原因について「塩害ではないか」という声も出ているが、道路を管理する県土浦土木事務所などは「木の下の土壌調査などをしないと、塩害かどうかは断定できない」としている。

一方、県農業技術課によると、塩害による農業被害は11日現在、確認されていない。担当者は「時期的にビニールハウスで栽培するピーマンやイチゴが多かった」と話した。

茨城新聞社