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金本辞任・坂井体制も崩壊…阪神は岡田&鳥谷ラインで次代へ

10/12(金) 12:00配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「オレは来年、どうなるんだよ!」

 阪神のあるコーチが顔面蒼白でこう言った。

 去る10日、阪神はコーチ陣との来季契約を更新した。金本知憲監督(50)は昨オフ、今季からの3年契約を締結。球団は来季続投を前提に組閣を進めていた。そのコーチは来季の契約書を片手に意気込みを新たにしていたという。

 ところが、翌11日に急転、金本監督が今季限りで辞任することが発表された。さらには、坂井信也オーナー(70)も今季限りで退任する。関西の放送関係者がこう話す。

「事態は10日に急変しました。揚塩球団社長が阪神電鉄本社から呼び出しを受け、その後、甲子園でのDeNA戦終了後に金本監督と会談した。金本監督はその席で辞意を伝えたと話している。最下位低迷で球団には金本監督に対する抗議電話が殺到、球場ではファンから毎日のように『辞めろ』とヤジられた。観客動員も前年を下回った。金本監督も辞任を覚悟していたとは思うが、あまりにも急すぎます」

 急転直下の辞意表明。その裏には、坂井オーナーの退任が大きく影響しているという。

「金本監督は社長との会談の席で、オーナー退任を伝えられた可能性があります。『後ろ盾』だったオーナーが辞めることがわかった以上、自分も身を引かざるを得ない。それが決定打になったのでしょう」(前出の関係者)

 では、坂井オーナーはなぜ辞めることになったのか。

「過去2年間は、金本監督が坂井オーナーから編成も含めた全権を託されていた。ところが今年は、金本監督の求める補強に関して、親会社からのゴーサインが出なかった。早々とV逸が決定したこともあり、電鉄内だけでなく親会社の阪急阪神HDでも、球団運営を疑問視する声が出始め、坂井オーナーが辞任を決断せざるを得なくなったと聞いています。その結果、金本監督へのバックアップ体制は消滅。坂井オーナーの“クビ”によって、金本監督は外堀を埋められ、事実上の解任に追い込まれた」(阪神OB)

■最有力は矢野二軍監督だが…

 次期監督は誰がやるのか。内部昇格では矢野燿大二軍監督(49)や平田勝男チーフコーチ(59)、オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザーの掛布雅之氏(63)、OBの岡田彰布氏(60)らの名前が挙がっている。

「最有力は矢野二軍監督とみられているが、金本監督が辞めたことで、片岡ヘッドも責任を取るとみられている。それだけに片岡ヘッド同様、金本監督の右腕として働いてきた自分だけが残って監督を引き受けるかどうかは疑問が残ります」と、別の阪神OBがこう続ける。

「阪神は、坂井オーナー時代の10年間は一度も優勝を果たせず、前回優勝の05年から13年も経過している。いよいよ、阪急サイドの意向が反映される可能性があります。新任の藤原オーナーは阪急阪神HDの代表取締役で『ナンバー4』の位置づけ。その上には、阪急出身の角和夫代表取締役会長兼CEOがいます。これまで、人事には口を出さなかったといわれていますが、すでに財政面にはタッチしています。いくら『孫会社』の人事とはいっても、阪急サイドの意向を無視することはできないでしょう。そこで浮上しているのが、岡田さんの再登板です」

 岡田氏は、04年から08年までの5年間、一軍監督を務め、05年にリーグ優勝を果たしている。

「経験豊富な岡田さんであれば、実務派としてチーム整備に手腕を発揮できる。それに、親会社は生え抜きの鳥谷敬(37)を将来の監督候補として位置付けている。早大から03年に自由枠で入団した時から幹部候補として嘱望されてきました。岡田さんは鳥谷の大学の先輩で入団時の監督です。岡田さんが数年間、チームを地ならししている間に、引退した鳥谷が指導者としてのイロハを学び、鳥谷へバトンをつなぐ。こうした構想を持っている人間もいます。早大出身といえば角CEOも早大政経学部卒。大きな後ろ盾になってくれる、とみる向きもある」

 いずれにせよ、「坂井―金本」という独裁体制の崩壊が、阪神好転のきっかけになるのかどうか。