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「ブロッキングの検討、白紙に戻すべき」 Cloudflareによる「漫画村」運営者情報開示受けJILISが意見書

10/12(金) 7:57配信

ITmedia NEWS

 「前提事実に重大な誤認があったことが判明したことから、ブロッキングについての検討はいったん白紙に戻すべき」――情報法制研究所(JILIS、理事長:鈴木正朝・新潟大学法学部教授)は10月11日、海賊版サイト対策について議論している政府の検討会議(タスクフォース)でブロッキング法制化が検討されていることについての意見書を公表した。

山口弁護士の意見書より

 政府は「海賊版サイトの運営者は特定が困難」としてタスクフォースを設置したが、海賊版漫画サイト「漫画村」が利用していたCDN・Cloudflareが6月、漫画村の運営者情報を開示していたことが判明したため、タスクフォースの前提が崩れたと指摘し、ブロッキングについては再検討が必要としている。

 また、Cloudflareへの情報開示の手続きを行った山口貴士弁護士の意見書も公開。手続きのスキームを明かした上で、「CDNを利用している海賊版サイトの運営者の特定は可能」なため、ブロッキングは刑法上の「緊急避難」には当たらず、ブロッキングの立法する根拠となる立法事実も「存在しない」としている。

「運営管理者の特定が困難」との前提だったが……

 海賊版サイト対策をめぐっては、政府の知的財産戦略本部が4月、「漫画村」をはじめとする3サイトについて「ブロッキングを行うことが適当」との緊急対策を表明。6月には、有識者による「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議(タスクフォース)」を設置し、対策を議論してきた。タスクフォースは9月、中間とりまとめ案をまとめたが、ブロッキングについて賛否両論が併記される形で、「なお拙速な法制化に含みが持たされている」とJILISは指摘する。

 そもそも、タスクフォースの設置の目的として政府は、海賊版サイトについて、「運営管理者の特定が困難で、侵害コンテンツの削除要請すらできない」としていた。だが、山口弁護士らがCloudflareに対して6月、漫画村の運営者情報開示請求を行い、運営者とみられる個人を特定したことが10月に判明。手続きにかかったのは訴訟提起から17日間で、採った手段も一般的なものであったことから、「被害に気付いた時点で実施していれば、出版社は多大な被害を負う前に対処が可能だったと考えられる」とJILISは指摘する。

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最終更新:10/12(金) 13:43
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