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Jクラブも新時代に入った

10/12(金) 9:17配信

スポニチアネックス

 【大西純一の真相・深層】10月1日、サイバーエージェントが町田の経営権を取得したことを発表した。4月にRIZAPが湘南の経営権を取得したばかりで、このところ、新たな企業がJクラブの経営権を取得している。Jクラブの経営者が代わった例としては、楽天の神戸、LEOCの横浜FC、ジャパネットの長崎などがある。斬新な経営で急成長している会社の参入で、Jリーグも新時代に突入したといっていいだろう。

 26年前に日本リーグがJリーグになったときは、企業のサッカー部が中心だった。というより、「企業のサッカー部が中心になってやっていた日本リーグが、プロ化されてJリーグになった」と言った方がわかりやすいだろう。

 三菱自動車が浦和レッズ、日産自動車が横浜マリノス(現横浜F・マリノス)、松下電器がガンバ大阪、古河電工がJR東日本と組んでジェフ市原(現ジェフ千葉)になった。といってもその流れで親会社がチーム経営に責任を持ち、人もお金も出してクラブを支えた。当時はバブル経済がはじけた直後で、大企業はまだ資金もあり、「メセナ」に力を入れていた時代だった。

 開幕前年のナビスコカップでは「読売ヴェルディ」「日産マリノス」というチーム名が使われていたと記憶する。そして、当時の川淵三郎チェアマンが「チーム名は企業名を入れず、地域名プラス愛称で」といい続け、しだいに企業色が薄れていった。

 時代は変わり、企業も業績の影響でサッカーから撤退するところも出てきた。全日空、フジタ、ダイエーなどで、全日空がサポートしていた横浜フリューゲルスは横浜マリノスと合併という形で消滅した。ヨーロッパでもビッグクラブの経営者が代わることはある。マンチェスター・ユナイテッドもチェルシーもACミランも、経営者が代わっている。プロ野球でも楽天やソフトバンク、DeNAなどの参入でリーグが活性化しており、いい影響もある。

 10年ひと昔というが、Jリーグもほぼ10年ぐらいのスパンで「大企業のサッカー部」が中心だった時代から、「地域との密着」が重視される時代を経て、「経営」が問われる時代になった。この先また代わるかもしれないが、当面は経営手腕が問われる時代が続く。M&Aを仲介するベンチャー企業の中にはサッカークラブも視野に入れているところもある。ただ、シーズン中に経営権が譲渡されるのはちょっと違和感がある。「スピード感がなくなる」といわれるかもしれないが、そこだけは何とかルールを確立できないだろうか。

 ◆大西 純一(おおにし・じゅんいち)1957年、東京都生まれ。中学1年からサッカーを始める。81年にスポニチに入社し、サッカー担当、プロ野球担当を経て、91年から再びサッカー担当。Jリーグ開幕、ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、W杯フランス大会、バルセロナ五輪などを取材。

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