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TRUMPシリーズ初のコンサート「繭期夜会」1200人が“燃えた”「1万人のライネス」

10/12(金) 18:38配信

ステージナタリー

末満健一が構成・演出を手がけた「繭期夜会」が、去る10月9日に東京・なかのZERO 大ホールで開催された。ステージナタリーでは、この一夜限りのコンサート&トークライブの模様をレポートする。

【動画】合唱「1万人のライネス」練習用動画(メディアギャラリー他18件)

永遠の命を持つ原初の吸血種“トランプ”の伝説に翻弄される“ヴァンプ”を題材とした、末満のライフワーク的作品「TRUMP」シリーズ。「繭期夜会」は、来年2019年に10周年を迎える同シリーズのアニバーサリー企画として催された、シリーズ初のコンサートイベントだ。会場に詰めかけた“繭期”(「TRUMP」シリーズの劇中用語で、「TRUMP」ファンの通称としてもたびたび使われる)の観客の多くが、事前アナウンスされていた“黒色に差し色は赤”のドレスコードに沿った服装で来場し、約1200人分の客席は黒に染まった。

「~永遠と残酷と純潔のための独唱~」と題された第1部では、「TRUMP」「グランギニョル」「ミュージカル『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』」の劇中曲が、同シリーズの劇伴で歌唱を担当してきた新良エツ子によって歌い上げられる。12人編成のバンド演奏による「渇望の星」「グスタフの剣術指南」「アンジェリコフィーバー」を含んだ“Overture”で幕が開くと、赤いドレスを身にまとった新良がゆっくりとステージに登場。「TRUE OF VAMP」「愛という名の呪い」「今宵は黒き夜」「繭期の子守唄」「回旋するトラジェディ」「共同幻想ユートピア」など、新良の豊かな歌唱力で繰り広げられる名曲の数々に、観客はじっと耳を傾ける。

重厚な楽曲を立て続けに披露した新良は、神妙な面持ちから一変、満面の笑顔で「卑しい庶民の皆様、ご機嫌うるわしゅう!」と「LILIUM」に登場するマーガレットのセリフを客席に投げかける。観客から「うるわしゅう!」とレスポンスを受けた新良は、明るく軽快な曲調の「プリンセス・マーガレット」を跳ねるような歌声で歌唱。その後、「少女純潔」「葬送終曲『聖痕《スティグマ》』」「Eli, Eli, Lema Sabachthani?」と「LILIUM」を代表するナンバーが連続して届けられ、1部は幕を閉じた。

「~絶望とそれに属するいくつかの饗宴~」と題した第2部のトークパートには、末満と「TRUMP」シリーズの楽曲を手がけてきた作曲家・和田俊輔が登場。両名共、黒で統一された衣装に、和田は赤のネクタイ、末満は“まゆぞう”と自ら名付けた赤い小鳥の小物を左肩に乗せ、ドレスコードを意識した出で立ちで舞台に姿を現した。1部の余韻が残るステージで、2人は新良の歌声やバンドの演奏に賛辞を贈りつつ、シリーズを彩ってきた音楽や、共に仕事をするようになってからの約10年について振り返る。和田が「今後『TRUMP』シリーズで音楽を担当するなら、“生オケ”を入れて、(新良)エツ子に生で歌ってもらいたいですね」と希望を述べ、末満が「僕の夢は(舞台に)“生オケ”を入れられるくらい偉い演出家になることですね(笑)」と展望を語ると、来場者からは温かい拍手が送られた。

続いて「グランギニョル」で李春林役、「ミュージカル『マリーゴールド』TRUMPシリーズ10th ANNIVERSARY」ではコリウス役を演じた東啓介が黒のスーツ姿で登場し、黒いドレスに衣装替えした新良と共に朗読劇「雪のおわり春のはじまり」を披露する。末満が手がけたこの短編作品は、のちにヴァンパイアハンター・李春林となるカミーユと、その育ての親である白雪(はくせつ)の物語。カミーユ役を東、白雪役を新良が演じ、短編小説「Pendulum-ペンデュラム-」に登場するヴァンパイアハンター・蘆水役として末満も参加した。

「-絶望の記憶- マリーゴールド劇中歌より」と題した2部後半では、「マリーゴールド」の楽曲が届けられる。まずはコリウス役の東が本編でも歌った「彼女に自由を」で美声を響かせ、吉野圭吾演じるヘンルーダが歌った「花には言葉がある」を客席通路に降りて披露。東は観客1人ひとりに優しいまなざしを向けながら、柔らかに歌い上げたのち、新良と「口外無用!」をデュエットした。

末満と和田が合流すると、和田が事前にTwitterでアンケートを取り、得票数1位に輝いたと言うコミカルな曲「ケリトン出版社」を4人でお披露目。末満と和田も軽やかにリズムを刻みながら参加し、観客は手拍子で盛り上げた。終盤には東と新良が「我は守護者なり」をパワフルに熱唱した。

続くコーナーは、コンサートの目玉企画でもある「合唱『1万人のライネス』※但し、会場のキャパは1200人」。これはシリーズを象徴する代表曲「ライネス」を出演者全員と観客がひとつになって合唱するコーナーで、ワタナベエンターテインメントのYouTubeチャンネルでは事前に練習用動画が公開されており、会場では歌詞を掲載した用紙も配布された。

新良による歌唱ポイントのレクチャーが行われると、客席は総立ちで歌う体勢に。ここで末満が「皆さんがうまく歌えたら(ラストのサビ前で)“燃え”ます!」とシリーズの劇中シーンになぞらえて発言し、観客を笑わせて緊張を解く。新良のハイトーンボイスに導かれるようにバンドの演奏が始まると、“繭期”一同は、ほぼ原曲キーに合わせて歌い、会場にはおごそかな「ライネス」の大合唱が響き渡る。また末満の宣言通り、一番の盛り上がりを見せるパートでは実際に“燃える”効果音が轟き、会場は不思議な高揚感に包まれた。

アンコールでは東による「星の轍」、新良による「Requiem for Blood」、2人による「虜のペンデュラム」が歌唱され、「繭期夜会」は大盛況のうちに終幕した。

なお会場では「TRUMP」シリーズの劇中曲を集めたサウンドトラック「繭期音源蒐集 TRUMP series ORIGINAL SOUDTRACK-I」が先行販売された。同CDには「TRUMP」「LILIUM」「グランギニョル」から全73曲を収録。このCDは、10月21日まで東京・Animanga Zingaroで開催中の「TRUMP展 マリーゴールド篇」の会場でも販売され、10月17日に一般発売される。

■ 「繭期夜会」
2018年10月9日(火)19:00~ ※公演終了
東京都 なかのZERO 大ホール

構成・演出:末満健一
音楽監督:岩永真奈
作曲:和田俊輔
出演:末満健一、和田俊輔、新良エツ子、東啓介

□ 第1部「~永遠と残酷と純潔のための独唱~」
・-永遠の記憶- TRUMP劇中歌より
・-残酷の記憶- グランギニョル劇中歌より
・-純潔の記憶- LILIUM劇中歌より

出演:新良エツ子

□ 第2部「~絶望とそれに属するいくつかの饗宴~」
・トークコーナー「TRUMPシリーズの音楽を語る」
・朗読劇「雪のおわり春のはじまり」
・-絶望の記憶- マリーゴールド劇中歌より
・合唱「1万人のライネス」※但し、会場のキャパは1200人

出演:新良エツ子、東啓介、和田俊輔、末満健一

■ 「繭期夜会」セットリスト
□ 第1部
00. Overture(渇望の星、グスタフの剣術指南、アンジェリコフィーバー)
01. TRUE OF VAMP
02. No soul in blood
03. Bloody Promise
04. 輪廻夜想
05. 愛という名の呪い
06. 今宵は黒き夜
07. 繭期の子守唄
08. 回旋するトラジェディ
09. 共同幻想ユートピア
10. プリンセス・マーガレット
11. 少女純潔
12. 葬送終曲「聖痕《スティグマ》」
13. Eli, Eli, Lema Sabachthani?

□ 第2部
14. 彼女に自由を
15. 花には言葉がある
16. 口外無用!
17. ケリトン出版社
18. 我は守護者なり
19. ライネス

□ アンコール
20. 星の轍
21. Requiem for Blood
22. 虜のペンデュラム

■ 「TRUMP展 マリーゴールド篇」
2018年10月8日(月・祝)~21日(日)
東京都 Animanga Zingaro

(c)2018 Watanabe Entertainment

最終更新:10/12(金) 18:38
ステージナタリー

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