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【WEC 第4戦 富士】WEC 富士が開幕。金曜日のフリー走行はル・マン24時間レース優勝凱旋のトヨタが1-2を独占

10/12(金) 21:39配信

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「2018-2019 FIA 世界耐久選手権 第4戦 富士6時間耐久レース(2018-2019 FIA World Endurance Championship Round 4 6 Hours of Fuji)」が、10月12日~14日に静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイで開催されている。

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 初日となった10月12日には、1時間30分の練習走行が2回(FP1、FP2)行なわれ、6月に行なわれたル・マン24時間レースで初優勝を実現した、TOYOTA GAZOO Racingの「TOYOTA TS050 HYBRID」の2台がどちらのセッションでも1-2となり、2017年に続く2連覇に向けて順調なスタートを切った。

 また、FP1の終了後には、注目のドライバーなどが参加して行なわれるWEC恒例の金曜日記者会見が行なわれ、F1 モナコグランプリに引き続き、2018年のル・マン24時間レースに勝ったことで世界三大レース(F1 モナコグランプリ、インディ500、ル・マン24時間レース)のトリプルクラウン(三冠王)の二冠までを達成しているフェルナンド・アロンソ選手や、2009年のF1世界王者ジェンソン・バトン選手、そしてF1グランプリ通算3勝で日本でも人気のドライバーだったジャンカルロ・フィジケラ選手といった日本のファンにもなじみの深いドライバーたちが参加した。この会見には近隣にある御殿場市立高根小学校の小学生も参加しており、世界のトップアスリートをタジタジにしてしまう厳しい質問が浴びせかけられた。

■「スーパーシーズン」の第4戦になるWEC 富士。ル・マンを制覇したトヨタの2台が練習走行でトップタイム

 富士スピードウェイで開幕したWEC 富士は、WEC(FIA 世界耐久選手権)の第4戦に相当する。しかし、そのシーズン名が2018ではなく2018-2019となっていることからも分かるように、現在行なわれているシーズンは、2018年~2019年にまたがる「スーパーシーズン」と呼ばれる特別なシリーズとなっている。

 従来のWECが4月の開幕戦から始まり、11月の最終戦で終わっていたのに対して、このスーパーシーズン以降は、WECの中で抜群の知名度を誇るル・マン24時間レースを最終戦とすることになったのがその理由。切り替わりとなる今シーズンだけ、6月にシーズン第2戦として行なわれた2018年のル・マン24時間レースに加え、2019年6月に予定されている最終戦としてもル・マン24時間レースが行なわれるという、史上初めて1つのシーズンに2回のル・マン24時間レースが開催される形になっているのだ。

 今回のWEC 富士はそのスーパーシーズンの第4戦となる。会場の富士スピードウェイはトヨタ自動車の子会社が運営するサーキットで、まさにトヨタのホームグラウンドと言っていいだろう。その富士スピードウェイに凱旋するのが、6月のル・マン24時間レースでついに初優勝を遂げたTOYOTA GAZOO RacingのTOYOTA TS050 HYBRIDだ。優勝した8号車(セバスチャン・ブエミ選手/中嶋一貴選手/フェルナンド・アロンソ選手)、2位に入った7号車(マイク・コンウェイ選手/小林可夢偉選手/ホセ・マリア・ロペス選手)が、優勝の後初めて日本のファンの前で走るのがこのレースになる。

 2回行なわれた練習走行は、天候はギリギリもって雨は降っていなかったのだが、FP1、FP2共に長時間の赤旗中断となった。というのも、コーナーに設置されていた縁石のパーツが壊れてしまい、それを撤去、修復するために長時間かかってしまったからだ。このため、FP1は30分延長されたが、FP2は10分の延長で終了し、実質的に走れたのは最後の40分程度となってしまった。

 両セッションでトップをとったのはトヨタの2台。両セッション共にトップに立ったのは8号車、2位も7号車だが、FP1で3位になった11号車 BR Engineering BR1 - AER(ミカエル・アレシン/ヴィタリー・ペトロフ/ジェンソン・バトン組、MI)はトップと約1秒差、2位とは約0.5秒差、FP2で3位となった3号車 Rebellion R13 - Gibson(マシアス・ベシェ/トーマス・ローラン/グスターボ・メネーゼス組、MI)のトップとの差は1.7秒程度、2位とは0.6秒程度と、前のシルバーストンのレースのように2秒以上の大差がついている状況ではなくなっている。このレースの前にEoT(性能調整)が改訂されてトヨタ勢のウェイトが増やされており、それがある程度は効いていると考えられる状況だ。

 翌10月13日には午前中に練習走行3回目(FP3)、14時からは予選が行なわれる予定だ。決勝レースは10月14日の11時にスタート予定で、17時に6時間レースのゴールを迎える予定となっている。

フリー走行1回目(FP1の結果)フリー走行2回目(FP2の結果)■近隣小学校の小学5年生の質問に笑顔で答えるドライバーたち。バトン選手が一番好きな寿司のネタは?

 14時から行なわれたWEC恒例の金曜日記者会見では、通例では日本人ドライバーが呼ばれることが多いのだが、今回は日本人ドライバーではないが、日本になじみが深い選手などを中心に開催された。

 6月に行なわれたル・マン24時間レースでトヨタ初優勝に貢献したフェルナンド・アロンソ選手(8号車 TOYOTA TS050 HYBRID/MI)、2018年は日本のSUPER GTにフル参戦しているジェンソン・バトン選手(11号車 BR Engineering BR1 - AER/MI)、そしてF1グランプリ通算3勝で日本でも高い人気を誇ったジャンカルロ・フィジケラ選手(54号車 Ferrari F488 GTE/MI)、故アイルトン・セナの甥でウィリアムズからF1に出走していたブルーノ・セナ選手(1号車 Rebellion R13 - Gibson/MI)などF1出身のドライバー(アロンソ選手は現役だが、2019年はF1には乗らないことがすでに決定している)、さらには2018年のF2フロントランナー(3勝を挙げて現在ランキング4位)で、マクラーレンF1の育成ドライバーの1人でもあるニック・デ・フリーズ選手(29号車 Dallara P217 - Gibson/MI)、今シーズンからLMGTE-Proクラスに参戦しているBMWのドライバーで、2012年と2016年にマカオグランプリで優勝しているアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手(82号車 BMW M8 GTE)が登壇した。

 質問の最後には、富士スピードウェイの近隣にある御殿場市立高根小学校の小学生が、そんな世界の名だたるドライバーがタジタジになってしまうような鋭い質問を繰り出して会場を大いに沸かせた。

――フェルナンド、前にここでレースをしたのは優勝した2008年の日本グランプリだったと思うけど、今回のレースに向けての準備はどうか?

アロンソ選手:フリー走行は計画通りに進み、ドライタイヤを試して、セットアップもハイブリッドシステムも問題ないことを確認した。今のところサプライズは何もない。ここでは非常にいい記憶があるので、その時と同じように勝ちたいね。この週末は天気がどうなるか分からないけど、日曜日に向けて天候には回復してもらって、ファンのためにいいレースがしたい。

――EoP(性能調整)が見直されて重量が増えたけど、その影響はどうか?

アロンソ選手:もちろんマージンは減っている。だが、率直にいって前のレースでの差は大きすぎた。競争は必要だと思うし、調整は受け入れないといけない。それでもまだ最高のクルマだと信じている。

――ジェンソン、今年はここ日本でレースをしているけど?

バトン選手:今年は日本でのレースをエンジョイしているよ。ここにはすでにSUPER GTのレースで2回来ていて、これで3回目なんだ。すでに経験もあって、天気の変化にも慣れている。SUPER GTのクルマとLMP1のクルマは全然違うクルマだし、それぞれ楽しんでいるよ!

――前のシルバーストンのレースでは運転しにくそうだったけど。

バトン選手:クルマの運転に関しては確かに難しい。特にS1とS2でクルマはとてもナーバス。ここではいい結果を望んでいるので頑張りたいけど、LMP1にとっては特にS1が難しい。正直、トヨタはS3でとても速くて追いつくのは難しいし、レースは厳しいと思っている。だが、予選では彼らに迫れる可能性があると考えている。

――ブルーノ、シルバーストンではアクシデントで大変だったけど、体の方はもういいのか?

セナ選手:クルマに戻ってこれたのは嬉しい。クルマはシルバーストンからそのまま持ってきたので、大きな変化はないけど、P1は性能調整が少し入ったので状況が変わる可能性がある。

――トヨタとレースできるか?

セナ選手:どうだろう。ジェンソンが言ったように特にS3でトヨタは大きなアドバンテージがある。その中でもしっかりテストして、トヨタとの差を詰めていきたい。

――アントニオ、日本はどうだい?

ダ・コスタ選手:日本で走るのは、鈴鹿のカートの世界選手権で2007年に来て以来だけど、ここは熱心なモータースポーツのファンが多いので、今日ここで走ることができて本当に嬉しい。

――BMWにとって厳しい前半戦だったけど、これからどうだろうか?

ダ・コスタ選手:この週末に向けてはバランスに課題があり、やることはいっぱいあるが、今日と明日でしっかりレースに向けて準備をしていきたい。BMWはポテンシャルがあると考えており、この週末と残りのレースに向けて頑張っていきたい。

――ニック、初めての日本はどうだい? ダラーラにはもう慣れた?

フリーズ選手:日本に来られて嬉しい。ファンは情熱的だし、サーキットも素晴らしい。WECはここにいる顔ぶれを見れば分かるように、ドライバーのレベルも高く競争が激しい。自分のできることをしっかりやっていきたい。ダラーラには前のレースで乗っただけなので、もちろん大変だ。予選と決勝に向けて頑張りたい。

――ジャンカルロ、ここではF1時代にも走っていると思うが?

フィジケラ選手:ここに戻ってこれて本当に嬉しい。富士では2007年のF1グランプリで入賞しているし、いい思い出があるサーキットだ。今日はまだ少しのラップしかしていないけど、クルマのバランスはいい。アストンマーティンに負けている部分があるのでしっかりセットアップしていきたい。

――レースに向けての見通しは?

フィジケラ選手:6時間は何でも起きる、去年も雨やレッドフラッグがあった。できれば日曜日はドライコンディションでやりたいけど、いいセットアップがあればどんなコンディションでも大丈夫。ル・マンの2位のようないい結果を出せるように、前向きに頑張りたい。

――(高根小学校の小学生5年生からの質問)フェルナンドとブルーノに、夏休みにトヨタの工場に見学に行って、クルマの歴史を見て感動した。100年後のクルマはどうなっていると思うか?

アロンソ選手:(微笑みながら)電気で動いてないかもしれないね(笑)。小さい飛行機みたいに空を飛んでるかもしれないし(笑)。

セナ選手:僕たちの仕事はなくなってるかもしれないね(笑)。

――(高根小学校の小学生5年生からの質問)私はお寿司が大好きで、特にマグロとサーモン。ジャンカルロとジェンソンに、好きなネタは何ですか?

フィジケラ選手:同じくマグロとサーモンだ(笑)。

バトン選手:その質問はどこのレースに行っても聞かれるんだけど、実は一番大好きなのはウニだ、とてもおいしい(笑)。

――(高根小学校の小学生5年生からの質問)アントニオとニックに、小学5年生のころにはまっていたのは何か? 私は今はサッカーにはまっているが……。

ダ・コスタ選手:レースだね。

フリーズ選手:いろいろ選択肢はあったんだけど、やっぱりレースだな。

ダ・コスタ選手:ニックは1歳半から運転してたんじゃないかな、だって彼は今でも12歳なんだ!(フリーズ選手が童顔であることのジョーク。ちなみにフリーズ選手は現在23歳)。

Car Watch,笠原一輝,Photo:佐藤安孝(Burner Images)

最終更新:10/12(金) 21:39
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