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ついに1億画素も登場 ミラーレスカメラ 高級化でさらに競争激化 ニコン、キヤノンも参入

10/12(金) 10:11配信

産経新聞

 デジタルカメラ市場が低迷する中、好調なミラーレス一眼カメラで各社が高価格帯へシフトしている。ソニー、パナソニック、オリンパスに加えて、この分野で出遅れていた業界2強のニコン、キヤノンが近く参入する。ミラーレスは反射鏡がないため、一眼レフに比べて小型で軽量。技術の進歩で弱点も解消されつつあることから、一眼レフカメラから切り替えるプロカメラマンも増えており、高価格帯にも勝算を見いだしているようだ。

 2年に一度、9月にドイツで開催され、世界各国のカメラメーカーが技術をアピールする見本市「フォトキナ」。今年はミラーレスカメラを平成20年に誕生させた先駆者・パナソニックがフルサイズ(大型)の画像センサー搭載機を披露し、富士フイルムも1億200万画素と世界最高解像度の新機種を発表した。

 投入するのは「ルミックスS」シリーズの2機種。強みである映像処理技術を生かして高精細な4K画質の動画を撮影できるのはもちろん、被写体に合わせる高い操作機能や堅牢(けんろう)性も兼ね備える。ニコンが9月28日発売した「Z7」(想定税込価格44万円)を上回る値付けとなる見込みだ。

 これに対して、富士フイルムが発表したのは、センサー面積がフルサイズより約7割大きく、より高画質の撮影を可能とする「中判サイズ」のミラーレス機。「GFX」シリーズで来年前半に2機種を発売する。

 このうち上位機は想定本体価格が100万~150万円。現在の市販ミラーレスでは5千万画素程度が最高レベルといわれるなか、民生用として世界で初めて1億200万画素という圧倒的な高性能を武器に、プロカメラマンらの需要を取り込みたいという。

 高級ミラーレス機の市場は現在、心臓部の画像センサーを自ら製造しているソニーの「α」シリーズが不動の首位に君臨している。

 こうした中、自社製の一眼レフとの“共食い”懸念から、出遅れが目立っていたキヤノンとニコンもこの秋、ついに同市場へと参入。両社とも、フルサイズ機向けに新開発したレンズマウント(規格)を採用した。

 いずれの規格も内径を大きくし、将来的に高性能レンズを開発していくための設計自由度を高めている。

 「デジタル一眼レフカメラで培った知見を結集する」(ニコン)などと、一眼レフの世界二強が巻き返しに向けて、満を持して投入した形だ。

 レンズ交換式カメラのシェア争いは本体の商品力だけでなく、交換レンズの性能や品ぞろえもカギとなる。フルサイズで最後発となるパナソニックは、独ライカカメラのレンズ規格を採用すると発表した。国内レンズメーカーのシグマと3社協業で互換製品を展開することで、自社製レンズの品ぞろえの少なさを補う戦略を選んだ。

 富士フイルムは交換レンズの増産へ向け、生産能力を2年かけて7割引き上げる計画。生産子会社の富士フイルムオプティクスの大和工場(宮城県大和町)に十数億円投じてクリーンルームなどを増設し、順次稼働させていく。

 カメラ映像機器工業会の統計によると、平成30年1~6月期の国内出荷台数は、一眼レフが約24万台、ミラーレスを含むノンレフレックスが約29万台となった。また平均単価も5万4300円(29年)と、24年比で約1・7倍に上昇し、ユーザーの高級機・本格志向が際立っている。

 ミラーレスは液晶ファインダーの画像と被写体の状態に時間差があるなどの弱点も技術進歩で解消されつつあり、プロや写真愛好家の評価が高まっている。カメラ市場の主流は、一眼レフからミラーレスへと移っている。キヤノン、ニコンやパナソニックと“役者”がそろうことで、高級機への流れがさらに加速するのは間違いない。今後のシェア争いの行方が注目される。(山沢義徳)

最終更新:10/12(金) 10:11
産経新聞