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ウクライナ正教会、露正教会から独立へ シノドで筆頭権威が承認 正教会分裂の恐れ

10/12(金) 18:43配信

産経新聞

 【モスクワ=小野田雄一】キリスト教の三大教派の一つ「東方正教会」の筆頭権威コンスタンチノープル総主教庁は11日、トルコのイスタンブールで開かれていた主教会議(シノド)で、ウクライナ正教会を承認し、同正教会に対するロシア正教会の管轄権を認めないと決定した。ウクライナ側が求めていた露正教会からの独立が事実上認められた。正教会内の最大勢力である露正教会は強く反発。ペスコフ露大統領報道官は「正教会の分裂を招くいかなる動きも認められない」などと述べた。

 露正教会は17世紀末からウクライナ正教会の管轄権を持つと主張。ウクライナ正教会はソ連崩壊期までにモスクワ系やウクライナ首都のキエフ系などに分裂し、キエフ系は露正教会からの独立を主張してきたが、露正教会に阻まれてきた。また、他国の正教会から正式な教会組織として承認されていなかった。

 しかしコンスタンチノープルは今回、キエフ系などを正式に承認し、両国の正教会は対等だと決定した。

 決定を受け、キエフ系トップのフィラレート総主教は11日、分裂した国内の教会組織を統合し、新たな正教会を設立する考えを示した。ただし、モスクワ系が反発し、キエフ系との対立がさらに強まる恐れもある。露正教会側は「コンスタンチノープルとの交流を断絶する」と表明した。

 ウクライナでは、2014年のウクライナ紛争を機に正教会独立の機運が活発化。同国のポロシェンコ大統領が4月、コンスタンチノープルに独立承認を求める嘆願書を提出した。一方、露正教会は独立を認めないよう求めていた。米国務省は9月、独立を支持する声明を発表していた。

 露正教会にとって、約1500万の信徒と、スラブ民族圏における正教の「発祥の地」であるキエフを持つウクライナ正教会の喪失やコンスタンチノープルとの交流断絶は、正教会内での権威や影響力の低下に直結する。また、露正教会が管轄する他国の正教会でも独立機運の高まりを招く恐れがあり、今後の経過に注目が集まっている。

最終更新:10/12(金) 18:43
産経新聞