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NHK受信料値下げへ 肥大化への警戒感払拭狙う

10/12(金) 19:47配信

産経新聞

 テレビと同じ番組をインターネットで流す「常時同時配信」の実施に向け、NHKの上田良一会長が受信料値下げを表明した背景には、NHKに対する民放側の根強い警戒感を早期に払拭したいとの思惑がある。

 NHKでは2020年東京五輪・パラリンピック開催の前年に当たる平成31年度中の同時配信実施を目指す。さらに、今年12月1日から衛星で超高精細映像の4K・8K放送が始まれば、NHKの国内のテレビ・ラジオのチャンネル数は9つとなる。上田会長が受信料の値下げと合わせ、衛星波の整理・削減に触れたのも、肥大化への批判をかわして目標通りに同時配信を実施することが狙いだ。

 一方、NHKをめぐっては職員による受信料着服などの事件も相次いでいる。同時配信実施に向けては、受信料値下げに加え、ガバナンス(組織統治)の確保などについてもNHKが改善策を示した上で、総合的に判断する必要がある。

 日本民間放送連盟の大久保好男会長(日本テレビ社長)はNHKのネット活用業務について、「展開によっては民放だけでなく、新聞、通信に携わる事業者とも競合関係になり得る。基本的には抑制的にやってほしい」と強調している。

 NHKの受信料収入は32年度、7108億円に達して過去最高を更新する見込みだ。NHKは今でも、大災害時などに同時配信を実施。費用は受信料収入の2・5%を上限としており、民放連はこの基準の堅持を要請している。

 上田会長は12日、「費用の上限をどうするかという視点は重要だと認識している。会計上の透明性の在り方も含め、費用の適正性についてきちんと説明していきたい」と語った。同時配信実施に向けて、NHKには今後も丁寧な説明を行うことが求められている。

最終更新:10/12(金) 19:47
産経新聞