ここから本文です

(朝鮮日報日本語版) 【コラム】韓米同盟を揺るがす康京和外相発言

10/14(日) 5:07配信

朝鮮日報日本語版

 韓国外交長官(外相)の発言に米国大統領が翌日即座に反応するという今回の異例とも言える事例はおそらく過去に例がない。韓国の外交長官が「韓米間に対立がある」と自ら公表するのも異例だ。ところが韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官はこの二つの行動を10日に国会で行われた国政監査で一度にやってのけた。

 康長官の「5・24制裁の解除を検討中」という趣旨の発言を受け、米国のトランプ大統領は「われわれの承認なしにそんなことはしないだろう」として反対の立場を明確にした。また先月の南北首脳会談の際に発表された平壌宣言と南北軍事合意書の内容に激怒した米国のポンペオ国務長官は康長官に電話をかけ、激しい口調で強い不満を伝えた。これは外交関係者の間で一種の「うわさ」とされていたが、康長官は自分からあっさりとこれを認めたのだ。

 何が問題だったのだろうか。韓国大統領府と政権幹部が南北関係や外交政策の重要な決定を下す際、康長官と外交部を事実上排除しながら「世論の反応」を見たいときだけ康長官を利用するとの見方もある。康長官の5・24措置解除検討発言が与党・共に民主党のイ・ヘチャン代表との質疑で出たことも、そのような見方を後押ししている。昨年の国政監査でも共に民主党の朴炳錫(パク・ピョンソク)議員の質問に対し、康長官が「THAAD(在韓米軍の高高度防衛ミサイル)の追加配備はしない」「米国のミサイル防衛(MD)体制にも参加しない」と答弁した様子が思い出されるとの声も出ている。康長官はいわば大統領府と与党に引きずり回されているのだ。

 一方で今回の国政監査における康長官の答弁を改めて確認すると、これが与党だけに関わる問題ではない側面も見えてくる。康長官は今月4日、米ワシントン・ポスト紙とのインタビューで「北朝鮮の核兵器リスト提出要求の先送り」を提案した。その一方で10日の国政監査では核交渉の歴史に関する基本的な質問に答えられなかった。共に民主党の議員が「ジュネーブ合意はいつ始まりいつ終わったか」「6者協議はどれくらい続いたのか」などと質問すると、康長官は「正確な年数は知らない」と答弁した。非核化の専門家がこの質疑を見たら、おそらく誰もが「北朝鮮との交渉の歴史も知らずに核リスト提出の先送りを提案したとは」と絶句したはずだ。

 このような「勉強不足」はさておき、そもそも康長官は「海外とのメッセンジャー」という外交長官の役割を本当に理解しているのかさえ疑問だ。外交長官の発言は国内はもちろん、国として世界に発するメッセージという側面もある。韓国は北朝鮮に対する制裁をどう考えているかについて、米国も北朝鮮も耳を傾けている。また韓米同盟が今どのような状況にあるかは他国も注視している。そのような事実だけでもしっかりと認識していれば、康長官の答弁は違ったものになっていたはずだ。

 外交部でかつて幹部だったあるOBは「核リストの提出と制裁の維持は、どちらも最も近い同盟国である米国の基本的な政策だが、(康長官は)口を開くたびに同盟関係を揺るがす発言をするのだから、これではどのような外交政策を進めたいのか全く分からない」と指摘する。康長官が就任して今月で1年4カ月だ。そろそろ外交長官としての役割をしっかりと理解し、深く考えて発言し行動すべき時期に来ているのではないか。

政治部=金真明(キム・ジンミョン)記者