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政府の米価調整に乗じ巨富 珠玉の思惑師が上等車両に乗り込んだ訳 諸戸清六(中)

10/12(金) 18:10配信 有料

THE PAGE

 米や株の相場師として明治時代に一代で巨富をなした諸戸清六(もろと・せいろく)は、父の残した莫大な借金に奮闘した苦労の人であり、倹約の人でした。現在の三重県桑名市に生まれた諸戸は、節倹と剛邁のエピソードに事欠きません。下等車両にしか乗らない、「大勢張り」の人、そして時の大蔵大臣、大隈重信との奇縁――。諸戸はいかにして投機師として成功し、全国に名を轟かすに至ったのか。市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。

 3回連載「投資家の美学」諸戸清六編の2回目です。

■「思惑師」であって「相場師」ではない
 諸戸の郷里であり、米相場の町である桑名について書き記したかきがら老人」とは、明治時代の後半、国民新聞や毎夕新聞の相場記者として健筆をふるった野城久吉(やしろ・ひさきち)の別名。野城の著書「商機」は1000ページを超す浩瀚(こうかん)の書だが、ネット上では10万円を超す高値を呼んでいる。その野城記者は諸戸をこう持ち上げている。

「諸戸は実にこれら相場師中の玉である。天ぴんの剛邁不撓(ごうまいふとう)の精神と、軽快にして勤勉カ行の挙動とが、諸戸をして今日あるを至らしめた。諸戸の特に常人と思った点は思惑師であって、相場師ではないという点にある。彼の志は確かに遠大であって、目先のことにあまり頓着せぬのである」

 当代切っての相場記者、野城によると、1年先の相場は分かっても、1カ月先の相場は分からない。まして目先の相場はもっと分からないという。 本文:2,316文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:10/12(金) 19:03
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