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SNS騒然…ホームライナー、特急格上げ説を追う

10/12(金) 7:05配信

読売新聞(ヨミウリオンライン)

 JR東日本の快速列車「ホームライナー」を巡る動向が、SNSをにぎわせている。数百円を上乗せすれば、定期券客も特急車両に座って帰れる。通勤客にとってはありがたい列車が、特急に格上げされるかもしれないというのだ。

◆発車2分前には「満席」

 水曜の午後6時25分。JR東京駅の東海道線ホームに、6時30分発の小田原行き「湘南ライナー1号」が滑り込んできた。特急「踊り子」に使われている車両だが、運行上は快速列車だ。7、8号車の前で見ていると、ライナー券(510円)を駅員に示した人が次々に車内へ。3分後、ホーム上の券売機には「売り切れました」という赤い文字が現れ、定刻に出発した。この時、ホーム上の集合場所には既に、7時発の「湘南ライナー3号」に乗る人たちが並び始めていた。

 JRのホームライナーの歴史は、30年以上前にさかのぼる。終着駅で客を降ろした特急車両は、夜、空っぽのまま車庫へ戻る。これを有効活用できないか――。後のJR東海社長・須田寛氏が考案し、国鉄末期の1984年、上野―大宮で始まった。

 「コーヒー1杯の値段(300円)を上乗せすれば定期券客も特急車両に座れ、しかも速い」と、通勤客は大歓迎。赤字国鉄にとっても増収につながるため、たちまち全国へ広がった。JRに引き継がれた旧国鉄の旅客営業規則は、特急券や指定券が要る列車に、定期券では乗れないと定めている。そこで現場担当者は、座席を指定しない「着席券」という概念を引っ張り出し、実現にこぎつけた。

◆私鉄にも続々登場

 「座って帰れる」が魅力の通勤客向け座席指定列車は、今や私鉄でも定番になっている。今年だけでも、西武鉄道(西武新宿―拝島)と京王電鉄(新宿―橋本、京王八王子)が新たに始めた。夜の下り列車が「疲れた体にありがたい」「読書など移動時間を有効に使える」などと好評で、朝の上り列車に拡大させた鉄道会社(京浜急行電鉄など)もある。確実に座るため上乗せされる料金は、300~400円が主流だ。

 旧国鉄時代から、定期券で特急に乗れる例外規定はあった。乗れる範囲は次第に拡大。今や、「定期券で乗れない特急は一部」(JR東日本広報部)という状態となっている。

 定期券で特急に乗れるのは便利だが、当然ながら特急券がいる。利用者にとっては、割安のライナー券のほうが良いに決まっている。

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