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マイクロソフト、約2650社にLinux関連特許6万件を開放。OIN加盟で開発者の訴訟リスク低減

10/12(金) 8:00配信

Engadget 日本版

マイクロソフトが、Linuxに関わるシステムやソフトウェアに対して自社の特許を主張しないことに同意した企業によるコンソーシアムOpen Invention Networkに参加したと発表しました。なお、マイクロソフトはOINへの参加に伴い、約6万件の特許をオープンソース化したことを明らかにしています。そのビジネスモデルから、かつてはオープンソースの天敵と言っても良いほどだったマイクロソフトのOINへの参加は、一定以上の年齢の人には耳を疑う出来事と言えるかもしれません。2014年には、マイクロソフトが固く握りしめた特許権のために、Androidとサムスンから約10億ドルもの特許使用料を得ていたことも話題となっていました。

そのマイクロソフトも、いまや評判が大きく様変わりしつつあり、マイクロソフト自身もまたいかに開発者たちを重視しているかを示したいと考えている模様です。

今回のOINへの加入は、マイクロソフトが保有する約6万件もの特許を、OIN加盟企業が無償で利用できるようになったことを意味します。一方、マイクロソフトもOINの一員になったことで、OINに加盟する企業が持つ特許を無償で利用することが可能となります。

マイクロソフト知的財産担当副社長を務めるエリック・アンダーソン氏は「デベロッパーはあらゆるデバイスに顧客ニーズを満たす技術を導入したいと考えている」「我々はまた、オープンソースにおける共同開発がイノベーションを加速できることも知った」とコメントしました。

現在、OINには世界約2650社が加盟しています。その中にはGoogleやIBMといったソフトウェア企業に加えて、フィリップスやソニーといった電機メーカー、さらにトヨタ、ホンダ、ダイムラーのような自動車メーカー、さらにはSpaceXなども加盟し、巨大なライセンスプラットフォームを形成しています。

ユーザーの立場から見れば、OINのようなコンソーシアムに開発企業が加わることによって、強力な法律チームを持たない小さな企業でも開発がしやすくなり、結果としてソフトウェアリリースの速度が向上する事が考えられます。

マイクロソフトは2年前にAzure IP Advantageプランを開始し、自社のクラウドを利用する開発者がパテントトロール被害にあわないよう、所有する約1万もの特許を開放しました。また今年に入ってからは、技術ソリューション開発のために、マイクロソフトと協力する企業がそのパートナーシップによって生み出される特許権を保持できる、という方針を打ち出しました。

この一例を上げれば、韓国の病院とともに開発した、手術中の外科医の動きをモーショントラッキングするAIに関して、マイクロソフトが開発を担いつつ、知的財産権は病院側が保有する格好としている......という具合です。

マイクロソフトがオープンソースに深く関わるようになってきた背景の一部には、クラウドベースのサービスを推し進める上でオープンソースを無視できなくなったこともあると考えられます。そして多くのデベロッパーを引きつけておくことが、オープンソースでの開発効率を進めるうえで重要なことには違いありません。

念の為に付け加えておくと、マイクロソフトはWindowsやデスクトップ向けアプリケーションのソースコードに関しては、オープンにする考えはありません。これまでどおり使用許諾契約による料金徴収のビジネスモデルが続きます。オープンにするのはそれ以外の部分の話。

もちろんそれでも、開発者にとっては非常に大きな前進だと言えるでしょう。

Munenori Taniguchi

最終更新:10/12(金) 8:00
Engadget 日本版

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