ここから本文です

災害ボランティア、いつまで善意頼み? 専門家「まとめる官庁はっきりしない、柔軟な対応は首長次第」

10/14(日) 7:00配信

withnews

 地震や豪雨など大きな災害が頻繁に起きています。復旧・復興のためには、ボランティアの力が不可欠ですが、あまりにもその善意頼みなのが現状です。豪雨で被災した広島県坂町小屋浦4丁目で私が書いた「半取材、半ボランティア」のルポに、「このままでいいのか」というご意見がたくさんありました。ボランティアがもっと参加しやすい環境や、迅速かつ的確に配置できる態勢を、前もって整えておけないのか――。諸外国のNGO・NPOやボランティアの研究を20年以上続けている小野晶子・労働政策研究・研修機構主任研究員に疑問をぶつけてみると、熱がこもって関西弁にもなりつつ、色々教えてくださいました。(朝日新聞編集委員・東野真和)

【画像】知ることが備えの一歩 足元・口元……イラストで分かりやすく紹介、水害ボランティアの心得は?

腰が重い国

――災害時の対応をする常設の仕組みがあった方がいいと思うのですが。

 「私も常々思っています。度重なる災害だけでなく東京オリンピックの対応も含め、ボランティアをめぐる議論が騒がしくなってきた。各種アンケートでは、こういう激甚災害時に国がボランティアの募集や派遣を行うほうがいいと思う人が80~90%います。しかし国は腰が重い」

――なぜですか。

 「国の所管官庁がはっきりしないからだと思います。例えばNPOを所管するのは内閣府なんですが、ボランティアを直接扱っているわけではない。災害やオリンピックとなると、色んな省庁や民間団体がからみあった組織を作らねばならないが、どこがハンドリングするかが難しい。何とか、マスコミで世論を動かしてもらうしかない」

実費や少額払うドイツ

――災害ボランティアのため、というのではないですが、自民党内では復興庁の後継で「防災省」のようなものをつくるべきだという幹部もいますね。

 「ドイツにTHW(連邦技術支援隊)というNPOがあるが、内務省が所管していて、そこから年間200億円くらいお金が出ている。そういう官庁ができるとだいぶ違う」

――どんな組織ですか。

 「防災、災害救助のほか海外の災害や疫病への国際協力もする。1000人くらいの有給の職員がいて、登録されているボランティアが約8万人。ボランティアは活動したら申請して、実費や小遣い程度のお金をもらう。全国に支部組織があり、トレーニングセンターも持っていて、重機の使い方やマネジメントを学べます」

――派遣や官民の調整などもするんですか。

 「2002年のエルペ川(ドイツ東部)の洪水のとき、色んなNPOが援助に来たのですが中心になって采配するところが無いために現場がうまく回らなかったことを教訓にして、2004年にBBK(市民防災支援局)をつくった。そこが市民保護やハザードマップの策定、警察と民間の調整など、災害時の危機管理をするようになった。そこからNPOに、どこにどのくらい出してくれ、というのを指示します」

1/2ページ

最終更新:10/14(日) 7:00
withnews

あなたにおすすめの記事