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再生エネ、主力電源化の壁 九電の太陽光出力抑制

10/13(土) 22:09配信

産経新聞

 離島を除き、全国初の本格実施となった九州電力の再生可能エネルギー出力制御。再生エネが順調に拡大すれば、他の電力会社も今後、同様の対応を迫られる可能性がある。政府は温室効果ガスを排出しないなどの利点を持つ再生エネを主力電源に育てる方針だが、再生エネの大量導入に対応した電力網の増強や大型蓄電池の開発促進が欠かせない。

 「電力需要が低くなることが(再生エネの出力制御の)最大の理由だ」。九電の和仁寛・系統運用部長は12日の福岡市内での記者会見でこう説明した。日照条件が良く再生エネの適地が多い九州では以前から、気温が低下し冷房使用が減る今秋の出力制御の可能性が取り沙汰されてきた。秋のほか、春やゴールデンウイークなど「電力需要が低い時期は可能性が否定できない」(和仁氏)という。

 出力制御について経済産業省は「自然条件によって出力が大きく変動する再生エネが増えれば、電力の需給バランスを保つために必然的に起きうる」とする。海外では、アイルランドやスペインなど欧州を中心に実施されているという。

 政府は7月に改定したエネルギー基本計画で、再生エネについて「確実な主力電源化への布石としての取り組みを早期に進める」とした。総発電電力量に占める再生エネの比率は水力を含めると直近で15%程度だが、2030(平成42)年度には22~24%に引き上げる方針。経産省幹部も「再生エネをコストを下げながら大量に導入していくことが重要だ」と指摘する。

 一方、再生エネを利用しやすくする上では、余った電力を他地域に融通する送電線の拡充や、再生エネでつくった電気を充放電できる大型蓄電池の開発促進が急がれる。九州は総面積や総人口、電力消費量などがそれぞれ全国の1割程度を占め、日本の「1割経済」とも呼ばれるが、太陽光や風力の導入量は全国の2割弱を占めており、関東の31%に次いで2番目に大きい。和仁氏は「そうした(急速な)スピードで入ってきたことに設備増強が追いついていない」とも述べた。

 ただ、設備増強には相応のコストがかかり、最終的には家計や企業が負担する電気料金に跳ね返る。少子高齢化などで国内の電力需要が増える余地はそれほど大きくない。再生エネの拡大に伴って生じるコストにどう折り合いを付けるのかも課題となる。(森田晶宏、中村雅和)

最終更新:10/13(土) 23:23
産経新聞