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流行中の風しん対策 なぜ成人男性にワクチンを使えるようにしないの?

10/13(土) 7:02配信

BuzzFeed Japan

2018年9月末に厚生労働省が、2019年4月から30~50代男性の風しん抗体検査を無料にする方針を発表しました。

これは、風しんウイルスへの感染を防ぐ免疫があるのか調べる検査です。

国の過去の予防接種政策により、30~50代男性はワクチンを全くうっていないか、1回しかうったことがないワクチン不徹底世代です。十分免疫がなく今回の流行の中心世代となっています。

風疹の抗体の有無や抗体価の高さを検査するには、5000円くらいかかります。一般的に、検査結果が出るのに数日を要しますから、採血して、結果を聞きに来て、「抗体価が低いから風疹にかかりやすいですね」という流れになります。

受診は2回以上、1万円弱かかるワクチン費用は自費。この方針でワクチンの接種率が上がり、現在1000人に迫りそうな風疹の流行を止められるでしょうか? 私はそう思いません。
【寄稿:森戸やすみ・小児科専門医】

すぐには増産できないワクチン 緊急輸入できないのか?

ワクチンは製薬会社が製造計画を厚労省に毎年提出するので、手続き上も、技術的にも急な増産はしにくいのです。

だから、30~50代男性にワクチンを無料にしたら、本来定期接種を受けるべき子どもの分が足りなくなってしまう、そういう経緯で決まった方針なのかもしれません。

それならば、海外のMMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)ワクチンを緊急輸入して、大人にはそれを使えばいいのにと思います。

確かに、MMRワクチンは日本で安全性や有効性を確かめる治験をしていません。でも、全世界で何億人にもすでに使われているワクチンを日本人で検証する必要があるでしょうか?

ポリオの教訓を思い出してほしい

1950年代には日本でもまだ、年間数千人のポリオの患者さんが新規に増加していました。ポリオは重大な病気で、風邪のような症状の後、感染者の1~2%にウイルス性髄膜炎を起こします。

それだけでは終わらず、同じく感染者の0.1~2%で腕や脚の麻痺を残します。そのうちの一部の人は、数十年後に呼吸筋が麻痺して、人工呼吸器を使わないといけなくなるという恐ろしい病気です。

1960年から、このポリオが日本で大流行したため、経口生ポリオワクチンの緊急輸入が行われました。緊急だから、治験はありません。そして、グラフのように新しい患者さんの発生は急激に減りました。

1960年代にできたことが、なぜ今、MRワクチンでできないんだろう?と思います。

そう口に出すと、身近にいるワクチン行政について詳しい医師たちは私に、「あなたはそう正論を言うけれど国は、絶対に緊急輸入なんてしないよ」と言います。

けれど、誰もなにも言わなければ、医師たちは厚労省の対策に不満がなく、国民は現状の問題に気づかないと思われませんか? 私は、言っても無駄とは思わず、できる範囲で現状の理不尽さを伝える努力をすべきだと考えます。

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最終更新:10/13(土) 7:05
BuzzFeed Japan

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