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森林資源循環へ仕組み構築 静岡県、7地域をモデル設定

10/14(日) 7:31配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 総面積の8割以上が林齢40年以上の伐採期を迎えている静岡県内のスギ、ヒノキ人工林。木材価格の停滞により、樹木を切る「主伐」と、苗を植えて資源を再生する「再造林」の動きがなかなか進まない。県は2018年度、持続可能な森林資源確保に向け、7カ所の森林をモデル地区に設定。低コストで主伐・再造林を一体的に進め、森林所有者への還元額を確保する仕組みづくりに着手した。

 県が掲げる林業の成長産業化プロジェクトの一環。静岡や藤枝、富士宮、浜松市など各モデル林の実証実験は、森林組合などの林業経営体が担う。参加する森林組合おおいがわの関係者は「地域の基幹産業の林業の生き残りに必要な事業と捉えている。主伐・再造林に必要な技術力も磨く」と声に力を込める。

 森林内に高密度の作業道を整備して集材距離を短縮したり、高性能な伐倒や造材、集材機械を導入したりして省力化を促進。1ヘクタール当たりの試算で、主伐の労働生産性を1日1人当たり4立方メートルから7立方メートルに、所有者への還元として100万円の確保を目標に掲げる。

 現状の木材価格では、主伐の収益から、再造林にかかわる地ごしらえや植栽、シカの食害対策などの経費を捻出するのは困難なのが実情という。県は今回のモデル地域で成果を出し、21年秋までに県内全域に広げたい考え。モデル地域の一つ、富士森林組合は「森林所有者の理解を促すためにも、効果を示したい」と意欲的だ。

 林野庁によると、国内の17年の木材自給率は36・1%で7年連続で上昇。公共建築物への活用や再生エネルギー利用など幅広い用途で国産材を使う機運も高まっている。県は「本県森林が認証を受けている国際認証材への注目も高い。県産材のニーズ拡大に対応できる安定供給体制を確立していきたい」(森林計画課)としている。

静岡新聞社