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かすみがうらで企画展 帆引き船の歴史に光

10/14(日) 6:00配信

茨城新聞クロスアイ

霞ケ浦の帆引き船をテーマにした企画展「日本漁業の中の帆引き船」が、かすみがうら市坂の市歴史博物館で開かれている。帆引き船の歴史に光を当て、“魚に優しい”捕獲方法でもある独特な漁業や漁船の変遷を紹介している。15日から本県で始まる世界湖沼会議の関連企画。21日まで。

企画展では、網を使った漁業が縄文時代から始まったことをひもとく。江戸時代以降は3、4隻の船で引く大きな大徳網が使われるようになった。それに対し帆引き船は、少人数で漁ができるとして漁民を中心に普及したという。

霞ケ浦には江戸時代、高瀬舟をはじめいろいろな形や種類の船が活躍。地元の折本良平が考案したとされる帆引き船は、帆に風を受けて横に網を引く独特な漁法が可能だ。帆引き船は、大阪湾で江戸中期に発明されたという「打瀬(うたせ)船」が原型といわれる。これが江戸湾を通じ、明治時代初期に霞ケ浦に伝わり帆引き船漁につながったとされる。

千葉隆司学芸員は「少人数で大規模に網を引ける帆引き船は、たくさんの漁獲が上がる。さらに人力と風で進むため、魚が泳ぐ速度に合わせた漁となり、魚を生きたまま新鮮な状態で捕獲できた」と利点を指摘する。

会場では、江戸時代の霞ケ浦の様子が分かる「霞ケ浦・利根川絵図」や「利根川図志」といった史料や、河岸を利用する船や船主を記した「船免帳」、船や漁の往時の写真を展示。帆引き船の道具や模型も並べ、船の形の違いや漁業での利用の仕方などを解説している。魚が加工されさまざまな食品として売られていた商品包装の資料も示した。

千葉学芸員は「霞ケ浦の豊かな魚食文化が産業を興し、支えていることを知ってもらえれば」と語った。(綿引正雄)

茨城新聞社