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<台風21号>「白崎海洋公園」の完全復旧を断念

10/14(日) 9:53配信

毎日新聞

 紀伊水道を望む和歌山県由良町大引の観光レジャー施設「白崎海洋公園」が9月初旬の台風21号で大きな被害を受け、指定管理者が町に撤退の意向を伝えていたことが13日分かった。施設は全面閉鎖が続いており、再開の見通しは立っていない。町は指定管理者と撤退に向けた協議に入るとともに、完全復旧を断念し、今後の利用について検討を始める。【山本芳博】

 同園は、町がふるさと創生事業として約19億円を投じて1996年にオープンさせた。海に突き出た採石場跡地を利用し、4.3ヘクタールの敷地にクラブハウスや宿泊施設、レストラン、オートキャンプ場、展望台などを備えている。スキューバダイビング事業をメインに最盛期には年間約12万人が訪れた。

 町観光公社などによる運営を経て、今年4月からは首都圏を中心にダイビングスクールを展開する「マレア・クリエイト」(東京都)が5年を期間として指定管理者を務めている。町と結んだ基本協定では、町が施設の収支に応じて管理料として最大5400万円をマ社に支払う。

 9月4日に県内を襲った台風21号による波浪と暴風に伴い、中核施設のクラブハウスは浴場やダイビング用プールを稼働させる機械設備が水没。プールにも土砂が流れ込み、敷地に敷き詰められた大量のブロックがめくれ上がった。

 現地を視察したマ社の鳥居敏社長は、所定の期間を4年半残し、町に9月25日付文書で「台風21号で甚大な被害を受け、今後の見通しが立たない」として撤退に向けた協議を申し入れた。

 町は応じる考えで、具体的な撤退時期や、町が今年度の管理料の一部として支払い済みの600万円の取り扱いなどが協議の焦点となる。

 同園は98年と2004年にも大きな台風被害を受け、その度に復旧してきた。町は今回、修復費が多額に上り、将来的なダイビング客の減少も見込んで、完全復旧を断念した。

 畑中雅央町長は取材に「過去2回の被害では全面復旧したが、今回はいったん立ち止まり、新しい利用法を探る。物産品売り場が入るパークセンターなどは比較的被害が少なく、町直営で来年度に再開できるかもしれない」と話している。

最終更新:10/14(日) 12:55
毎日新聞