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阪神・金本監督、これぞ執念!会心“ラス闘”アニキ節でお別れ

10/14(日) 7:00配信

サンケイスポーツ

 (セ・リーグ、中日2-3阪神=延長十一回、25回戦、中日14勝11敗、13日、ナゴヤD)笑顔のラストタクト! 今季限りで辞任する阪神・金本知憲監督(50)が、今季最終戦で中日相手に白星で飾った。3年目の最後の最後でみせた「執念」での勝利に、試合後は柔らかな笑み。「申し訳ない」と謝罪の言葉を繰り返し、若手の育成だけでは勝てなかった現状を痛感しつつ、静かにタテジマを脱いだ。

 耕し、種をまき、水をやり続けた。咲き続ける花ばかりではなくても、最後も「執念」は顔をのぞかせた。金本監督が、勝って、笑顔でタクトを置いた。左翼席に向かって整列し、帽子を取って深々と頭を下げる。現役時代の応援歌が聞こえた。志半ばに違いなかったが、虎が抱えてきた課題に全身全霊でぶつかった3年間だった。

 「きょうみたいな試合を、執念を出して勝ち取るという野球をやっていきたかったんですけど。なかなか本当に苦しいシーズンに終わってしまいました。全部僕が、指導というかね、そういう環境作りというかね、そういう能力がなかったからこういう結果になった。選手たちは本当に一生懸命やってくれました」

 すがすがしい表情で振り返った。4位、2位と来て、開幕前「これまでのチームでは一番強い」と言い切って臨んだ就任3年目。まさかの球団17年ぶりの最下位に沈み、11日に「辞任」が発表された。選手らに自らの言葉を伝えられたのは、この日の試合前だった。

 宿舎出発前に全選手、首脳陣、スタッフを集め「体を張ってみんなよく頑張ってくれた」、「力はあると思う」、「申し訳ない」と語りかけた。勝利と育成を同時に求めてきた。特に育成は、これまでの阪神に欠けていた大命題だったが、2016年に新人王を獲得した高山も、17年に20本塁打も、そのままレギュラーに定着させることは叶わなかった。春、秋のキャンプでも真正面から向き合い猛練習で成長を促したが、殻を突き破らせてやることはできなかった。だが、この日は1点を追う九回一死から陽川が四球、大山が左前打でつなぎ、敵失で同点&延長戦に持ち込んだ。そして、延長十一回二死二塁では中谷が決勝の左前適時打。苦しんできた、かわいい教え子たちが、白星をもぎ取ってくれた。

 17年には糸井を獲得したが、例年、助っ人砲が期待外れに終わった。今季は米大リーグ通算71発で年俸3億4000万円と、大きな期待を背負って入団したロサリオが8発の大誤算。62勝79敗2分け。6位。育成に力を注いだが、育成だけでは勝てないことを痛感させられ、虎を去る。最後は普段の「アニキ」の顔を見せ、虎に冗談とも本気ともつかない、メッセージを送った。

 「だいぶ育成も終わったんでね、そろそろ補強で勝たれたほうがよろしいと思います」

 ファンの声援に感謝し、ファンに申し訳ないと繰り返した。だが、最後だけいたずらっぽく笑い、金本監督はここで一旦、虎を去った。

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