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「身元特定は『漫画村』運営者のミス」「議論を拒んでいるのは反対派」川上量生氏、改めてブロッキングの必要性訴える

10/14(日) 8:15配信

AbemaTIMES

 海賊版サイト対策について議論している政府の検討会議(タスクフォース)が、いよいよ15日に取りまとめを出す。焦点となっているのが、ユーザーが閲覧しようとした際にインターネットサービスプロバイダ(ISP)がアクセスを強制的に遮断する「ブロッキング」の是非だ。出版界に与える経済的損失の大きさなどの観点からブロッキングでしか問題に対処できないとする委員と、「通信の秘密」を保障した憲法21条に抵触する可能性などから反対の立場を取る委員との間で議論は平行線を辿り、先月までに8回もの会議が行われたが、未だ意見集約には至っていない。

 12日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、ブロッキング“賛成派“でタスクフォース委員の川上量生・ドワンゴ社長と、“反対派“の楠正憲氏・国際大学GLOCOM客員研究員を招き、改めて双方の主張を聞いた。

■川上氏「すでに通信の秘密は侵されている」

 手紙などの通信の秘密や、検閲の禁止を定めている憲法21条。そして電気通信事業法でも、ISP事業者などに対し通信の秘密を侵してはならないと定めている。

 しかし2008年、児童ポルノの閲覧を禁止するよう世界各国の政府に求める共同宣言が出され、2011年には事業者でつくる協会の要請に基づく“緊急的な措置“としてブロッキングが導入されている。ユーザーのアクセスの監視、つまり違法行為が例外的に認められているのは、(1)経済的な損害が大きいなどの危機が迫っていること、(2)ブロッキング以外に手段がない、(3)守られる利益の方が犠牲になる利益より大きいという3点の理由によるものだ。反対派は、海賊版サイトへのブロッキングが認められれば、こうした解釈が拡大されていく懸念を示している。

 これについて川上氏は「そもそもインターネット通信のパケットを届けているルーターは皆の通信を見ているし、児童ポルノのブロッキングもすでに導入されているので、海賊版サイトに対して導入されたとしても何も変わらない。もちろん“気持ち悪い“と感じるかもしれないが、それが出版社に対する被害より大きいのか。“監視社会みたいになる“という連想の根拠はどこにあるのか」と疑問を投げかける。

 児童ポルノへの導入を巡る議論に携わった楠氏は「児童ポルノについては、発信だけでなく、ダウンロードして持っているだけでも違法だった。確かにデメリットは限定的かもしれないが、海賊版を止めることができるなら、あれもこれも止められるんじゃないか、という議論になる可能性があるし、3つの原則を侵したサイトは他にもたくさんある。例えば名誉毀損など、人格権に関わる問題の方が経済犯よりも深刻だろう、傷つく人がいるからブロッキングしようなどと恣意的に運用されれば、我々が自由にニュースを見ることができなくなるかもしれない」と反論。

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最終更新:10/14(日) 8:15
AbemaTIMES