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新車同然の1964年型フォルクスワーゲン「ビートル」が、100万ドル(約1億1,400万円)で売り出し中

10/14(日) 10:48配信

Autoblog 日本版

旧車のフォルクスワーゲン「ビートル」に百万ドルもの値段が付くとしたら、一体どんな理由が考えられるだろうか? 最近、スウェーデンで最も古いビートルである1948年型「タイプ1」が135万SEK(スウェーデン・クローナ)という価格で販売されたが、これもドルに換算すれば15万ドル(約1,700万円)に過ぎず、百万ドルにはほど遠い。しかし、米国オレゴン州ポートランドで売りに出されているブラックのビートルには、実際に100万ドル(約1億1,400万円)という提示価格が付けられているのだ。

“ミリオン・ダラー“のビートル 画像4枚

このオレゴンのビートルは1964年製と、スウェーデンで売られたクルマに比べたらかなり新しい。それでも信じられないほどの高額が付けられている理由は、走行距離計の数字がたったの22マイル(約35.4km)を示していることから分かるように、製造から半世紀以上の年月を経ながら、あらゆる面において新車に近い状態を保っているからだ。

強気な金額?

こんなクルマには必ず興味深いエピソードがあるものだ。修理工でクルマのコレクターでもあるRudy Zvarich氏は、日常使いにしていた1957年型ビートルがもし急に故障して動かなくなってしまった時のために、単なる予備のクルマとしてこの1964年型ビートルを購入したという。同氏は1964年型がビートルの頂点であると考えていた。その理由は、1965年型でビートルに施された変更が、彼にとってビートルというクルマを台無しにしてしまう出来事だったからだ。フォルクスワーゲンは1965年モデルから、それまでより大きくてややカーブしたフロント・ガラスを採用した。これがZvarich氏には我慢できなかった。そこですぐにディーラーへ出掛けて、売れ残っていた1964年型を、いつか使う日のためにと購入しておいたというわけだ。

しかし実際には、この1964年型が必要になることは一度もなかった。このビートルは全体にカバーが掛けられ、液体類は全て抜いた状態で、Zvarich氏が所有する倉庫の隅に置かれていた。2014年に同氏が87歳でこの世を去ると、このほぼ新車のビートルは甥の手に渡り、2016年に倉庫から出されて、ディテールを損なわないように注意しながら、手厚いケアが施された。付属品のワイパーとハブキャップは取り付けたことがなく、ディーラーが貼ったステッカーも当時のまま。今までに一度も洗車さえされたことがない。

確かに、未使用品や再生産されている新品のパーツを使い、このビートルの状態を再現することは可能だろう。しかし、このクルマの全てが工場出荷状態のオリジナルであり、似せて作ることはできても本当の意味では二度と作ることが出来ないものだ。ディーラーのステッカーには、1964年当時、このフォルクスワーゲン「デラックス セダン」(ご存じのように、“ビートル“は愛称であり正式名称ではなかった)の希望小売価格が、1756ドル90セントと書かれている。現代の貨幣価値に換算すると1万4,000ドル(約159万円)を少し上回る程度だ。特にそれを考えると、“ミリオン・ダラー“の提示価格は実に強気な金額に思える。

しかし、同じように全てがオリジナルの状態で、走行距離が僅かなクルマが他に出て来ない限り、この個体がユニコーンのように巡り会えることが奇跡の1台であることは間違いない。

Autoblog Japan

最終更新:10/14(日) 10:48
Autoblog 日本版

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