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人間よりも過酷? 鉄道車両の軽量化 車体も窓も厳しく設計、どんな利点が

10/14(日) 7:13配信

乗りものニュース

軽い車両は乗客にも利益

 鉄道は旅客や荷主から運賃を受け取って輸送する交通機関です。従って一度に多くの乗客や荷物を運べばそれだけ大きな利益を得られます。

【写真】新幹線は軽量化で「車窓」も変わる

 乗客や荷物をたくさんのせるとそれだけ車両は重たくなりますが、線路は受け止められる最大重量が路線ごとに決まっているため、それを超えた列車は運転できません。

 決められた重量の範囲内でより多くの人や荷物を運ぶには、車両を軽く造るのが効果的です。たとえば1両の重さが1t軽くなれば、それだけ人や荷物を多く運べます。また、これまでと同じ人数を運ぶのであれば、車両が軽くなる分スピードアップがしやすく、電気代や燃料代も削減できる上に線路の傷みも減ります。ひいてはダイヤや運賃に反映され、鉄道会社のみならず利用者にとっても利益になります。

 こういった理由から、新型車両を製造する際は安全を脅かさない範囲で可能な限り軽くなるように設計されます。

アルミ・ステンレスで軽量化

 軽い車両を造るための要素として、素材が見直されました。

 かつて鉄道車両の車体は木製がありましたが火災リスクなどから鋼鉄製に。しかし近年は大部分がステンレスかアルミ製に変わり、軽量化につながりました。

 たとえば山陽電鉄の3050系電車は、鋼鉄製の車体とアルミ製の車体がありますが、アルミ車の方がおおむね4.3~4.5t軽くなっています。かつてアルミ車は高価格で導入に踏み切れない鉄道事業者もありましたが、新工法により価格は下がり、現在では多くの会社がアルミ車を導入しています。

 ステンレスはアルミのように素材自体が軽いわけではありませんが、腐食の心配が少ないため板を薄くし、塗装を省略することで軽量化ができます。

 1980(昭和55)年に東急電鉄が投入した8090系電車は、有限要素法という方法で強度計算し、徹底的な軽量化を試みた結果、モーター搭載車両の比率を減らしても以前の車両タイプと同等の所要時間で走れるほどに軽くなりました。軽量化が省エネルギーに貢献した例と言えます。

 ステンレス車はアルミ車よりも低価格で塗装不要のメリットもあるため、通勤形を中心に爆発的に普及しています。

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最終更新:10/15(月) 18:13
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