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台風「塩害」じわり 花木枯れ、紅葉に影響も 千葉県内、農林水産被害23億円

10/14(日) 11:26配信

千葉日報オンライン

 大型で強い台風24号は、千葉県内の交通網を大幅に乱すなど各地に爪痕を残して日本列島を通過したが、10日以上が経過して農林水産業の被害が約23億1千万円に膨れたことが明らかになったほか、モミジ・イチョウは色付かずに枯れる現象も見られ、じわり影響が広がっていることが、13日までの千葉日報社の取材で分かった。習志野、八千代市のバラ園では、「塩害」によってバラの葉が変色し被害は深刻な状況になっている。

◆農業施設も 

 県は、台風24号による農林水産業の被害総額は約23億1千万円と発表。うち農作物被害は14億6253万円。強風で吹き付けられた海水による「塩害」の影響で、銚子市や旭市など沿岸部を中心に、大根やキャベツなどの被害が目立った。

 ビニールハウスなど農業施設は7億3692万円、林地は6646万円、漁港や漁具など水産業施設は4438万円の被害。

 被害を受け県は12日、農林漁業者への運転資金貸し付けの無利子化などを国に要望。被災した農業者が金融機関から復旧資金を借りる際、県と市町村が利子分を補助することを決めた。

◆「名所」暗雲 

 12月上旬に見頃を迎えると予測された「養老渓谷の紅葉」(市原市・大多喜町)だが、暗雲が漂う。

 同市の養老渓谷駅前観光案内所によると、例年10月上旬のモミジは緑色だが、塩害で一部は茶色に。紅葉しないことが懸念され、案内所は「被害が大きく、残念」とため息。一方で「川沿いの遊歩道など紅葉が楽しめる場所もしっかりある」とし、多くの観光客が訪れることを願った。

 同町観光協会によると、関東で最も遅く紅葉が楽しめる養老渓谷のもみじ谷で、葉が黒っぽくなる塩害の症状が発生している。

 同協会は「全体的に被害を受けているかもしれない」と危機感をあらわにし、「毎年11月23日に行う紅葉まつりで、鮮やかな景色が見られるか心配」と不安を口にした。

 また、市原市と大多喜町を走る小湊鉄道の沿線風景を撮影する同市の松本靖彦さん(75)によると、上総久保駅と上総大久保駅の脇のイチョウが塩害で変色。秋の色付きを列車と共に写し込める人気の撮影スポットだが、「今年は撮影が厳しそう」と声を落とした。

◆梨農家懸念 

 船橋市では、市内の多くの梨農園で葉が落ちる被害を確認。来春の開花時期が狂い梨の生育に影響がでるのではないかと梨農家が懸念しているという。

 同市の公園や街路樹も、落葉樹が塩害で変色し、紅葉しないで落ちており、松戸市の公園や沿道の並木では、ケヤキとイチョウの片側に枯れる現象が見られた。

◆電線に火花 

 台風通過直後に、東京電力が県内50市町村で最大約12万4200軒で停電したと発表したほか、通過から数日たっても県内全域で電線のトラブルが続いた。

 千葉日報の取材では、柏、市川、浦安、銚子、旭、匝瑳・横芝光、袖ケ浦、館山、勝浦、いすみ、館山、鴨川、南房総の各市・地域で「電線から火花が出ている」「鉄塔からパチパチ音がする」などの電線に関するトラブルの報告が市町村などに寄せられた。

◆信号機落下 

 また、信号機が落下し、通行に影響も出ていた。

 御宿町須賀の国道128号丁字路交差点で、交差する町道側の信号機の黄色灯が路上に落下。

 信号機は赤と青は点灯する状態だったが、同日中に修理して復旧。黄色灯落下によるけが人や大きな混乱はなかったという。

 大網白里市では、強風で自動車用信号機の電球が三つとも落下。人などに当たる二次被害はなかった。

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