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「手話カフェ」で働き変わった価値観 28歳の店長 ろう者と聴者の“懸け橋”目差す

10/14(日) 9:30配信

西日本新聞

 ご注文は指さしでお願いします-。耳が聞こえない人と聞こえる人がともに働くカフェレストランが、福岡市博多区千代2丁目にある。「いつも笑顔で」をモットーに、その名も「手話カフェ nico-福岡」。筆談や手話でコミュニケーションし、手作りのランチやパンを提供。聴覚障害に対する理解を広め、聴者との間の“懸け橋”となる場を目指している。こうした常設のカフェは九州では珍しいという。

【写真】手話などを使って来客に応対するろう者の女性

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 店に入ると、レジの前に「指さして」と大きく書かれたボードが目に飛び込んできた。ろう者(聞こえない人)の女性スタッフに、メニューの一覧から食べたいものを指さしで選んで注文、料金を払って席に着く。用があるときは手を上げれば、筆談ボードを持ってきてくれる。

 市内で就労継続支援A型事業所の食堂を運営する一般社団法人「ノーマライゼーション」が今年2月にオープンした一般就労の店だ。ろう者はコミュニケーションが難しいと思われがちで、求人も単純作業の仕事が多いが「聴者側の思い込みではないか。仕事の選択は誰もが自分自身で決めること」と代表理事の松本昌彦さん(61)。ろう者の働き手としての可能性を広く知ってもらおうと、手話カフェを発案した。

 そんな思いに共感したのが店長の本野有華さん(28)。昨年5月、お互い通っていた手話の入門基礎講座で知り合った。かつてホテルのフロントで働いていた本野さんは、宿泊客のろう者の老夫婦と十分に意思疎通できず「悔しかった」経験がある。「筆談で説明しても、自分が手話を全く知らず、伝えたいことを伝えられなくて…」。松本さんから手話カフェをオープンしたいと聞き「やってみよう」と決意。東京にある手話カフェを実際に見学し、準備を整えていった。

ろう者、コミュニケーションが難しいと思われがち

 店内で働くスタッフはろう者が3人、聴者が2人でいずれも女性。ボーダー柄のそろいの制服で客をもてなす。「最初はろう者についてあまり知らなかった」本野さんだが、同僚として働くうちに「“特別視”する必要はないのでは」と思うようになった。聞こえなくても、手話や、唇の動きなどで意思疎通する口話、身ぶり手ぶりで十分、コミュニケーションが取れると分かったからだ。

 社会の中で力を発揮できるはずなのに働く場が乏しいのは、周りの理解不足だけではなく、ろう者側も、自身の可能性を信じ切れていないように映る。

 「聞こえないなりの接客の方法はあり、お客さんに対する印象も笑顔で変えられる。スタッフには、できないなら頑張って練習しようと言い続けました」

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最終更新:10/14(日) 10:51
西日本新聞

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