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産みの苦しみを味わった千葉ジェッツ。万全ではない中での初勝利で浮上のきっかけをつかむ

10/14(日) 12:40配信

バスケットボールキング

「勝ててホッとしました」

 異口同音に正直な気持ちを吐露したのが千葉ジェッツの大野篤史ヘッドコーチと小野龍猛キャプテン。天皇杯を2連覇した千葉を支える2人にとってもこの勝利は産みの苦しみを実感したようだ。

 10月13日、B1第2節、船橋アリーナで行われた千葉vs三遠ネオフェニックス、千葉は開幕節からエントリーする外国籍選手をギャビン・エドワーズからトレイ・ジョーンズにチェンジ。三遠の得点源、ロバート・ドジャーのマッチアップにマイケル・パーカーをつけ、初勝利を目指した。

 しかしながら、千葉はなかなかリズムに乗れない。第1クォーター、ティップオフから4回のポゼッションでシュートミス3回、ターンオーバー1回と得点に至らない。やっと6回目、富樫勇樹の3ポイントで初得点をするも、三遠にリードを許す展開となる。

 試合後、三遠の藤田弘輝HCはほぞをかんだ。「第1クォーターから30分間、自分たちのバスケができた。しかし、最後の10分で集中力を維持できなかった」

 オフェンスではリズムに乗れなかった千葉だが、三遠に決定打を許すことなく、10点以内の差で我慢強くついていく。すると、第4クォーター、パーカーがゴール下で奮闘。3連続得点で逆転に成功すると、三遠のシュート確率が悪くなっていったことも手伝ってリードを広げ、勝利の瞬間を迎えた。

 試合後、記者の前に立った大野HCは、「今週準備してきたことを選手たちはやってくれた。ディフェンスでしっかり我慢して、最後まで守り抜いたことが勝因」と、ディフェンスでの勝利を強調した。「アーリーオフェンスでどんどん攻めて、100点ゲームで勝つのが千葉のスタイルと思われているファンの方も多いと思う。ジェッツらしいバスケはできませんでしたが、ディフェンスで勝ち切れたことが大きい。選手たちの自信につながる」と、これからのチームの成長に期待を寄せた。

 今のチームの問題点を問われると、「やっぱりオフェンスです」と即答。「トランジションの中で空いたスペースを攻めるイージーバスケットができていない。またセットオフェンスでも今は外でパスを回しているだけ。もっとインサイド、アウトサイド、逆サイドとパスが回して、相手のディフェンスを収縮させたり、反対に広げたりしなければ。結局、今は富樫頼みになっているところも多い」と、問題点に言及した。

 キャプテンの小野は、「60試合のうちの2試合に負けたという考え方もあると思うが、あれだけたくさんのファンの方が入っていただいた開幕節で連敗したことに責任を感じている。しかし、練習ではとにかくこれまでやってきたことを信じてやるしかなかった」と、揺れる気持ちを静めて試合に臨んでいたことを明かす。「この1勝をきっかけにステップアップしてきたい」と、シーズンを通じて成長していくことを誓った。

 確かに開幕してまだ3試合だが、チームの調子が上がらない千葉にとってこの勝利はいろいろと意味のあるものかもしれない。外国籍選手とのコンビネーションを含めて課題は多いと言えるが、浮上のきっけかをつかむものであることは事実だろう。

文=入江美紀雄

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