ここから本文です

【ABC特集】ようやく授かった我が子がなぜ? 吸引分娩めぐる医療事故 出産現場に潜んでいた落とし穴

10/15(月) 16:00配信

ABCテレビ

生まれてから半日 この世を去った我が子

「どれにしよう いちごみるくにしよかな」

 夫婦が毎日あげるジュースの香りがする線香。その先にある小さな遺骨は、今もたくさんのおもちゃで囲まれています。高瀬柊(たかせ・しゅう)ちゃん。去年の11月20日、大阪市内にある産婦人科クリニックで産声をあげ、たった半日でこの世を去りました。

「(妊娠中)エコーを毎回動画で撮影して、夜寝る前に(夫婦)2人で一緒に見て3回くらい見たな。動いたとか、この鼻のところが大ちゃん(夫)そっくりとか言って 私の良さがないとか言って楽しかったですね」(柊ちゃんの母・高瀬実菜美さん)

元々妊娠をしにくい体質の高瀬さん。辛い不妊治療を受け、ようやく授かった命でした。しかし柊ちゃんは、生まれた直後に容体が急変。12時間後に息を引き取りました。

「(当時私は)産後嘔吐して意識なくなって寒かった(柊ちゃんが元気な時に)私は触ることもできなかった。それをすごい後悔していて、なんぼでも触れると思っていたんでね、この後」(高瀬実菜美さん)

「吸引分娩」の末に… 納得できない医師の説明

 分娩の際、柊ちゃんには「吸引」とよばれる方法が用いられました。専用の器具を使って頭を引っ張り、赤ちゃんが母体から出てくるのを補助する、従来からある方法です。柊ちゃんの死因は「帽状腱膜下血腫(ぼうじょう・けんまくかけっしゅ)」による出血性ショック。頭部の出血によるショック死です。
クリニックの医師からは、「吸引で柊ちゃんの頭に圧力がかかったことによる合併症だ」と説明を受けたということですが、高瀬さんは納得できません。

「直前まで元気ですって言われていて 生まれた後も元気ですと言われていたのに」(高瀬実菜美さん)

我が子がなぜ? カルテに残された気になる記載

 元気に生まれたはずの息子の命はなぜ尽きてしまったのか。高瀬さんは、出産の記録のために撮影していた映像や、クリニックから取り寄せたカルテを元に調べ始めます。そこには気になる記載が・・・。

「0時20分の段階で『全身不色でうなり呼吸あり』っておかしいじゃないですか。『先生に報告』ってこれ多分電話なんです 先生がいないんですよ。先生がやっと来たのが2時35分、つまり2時間放っておかれている」(高瀬実菜美さん)

 事故があったクリニックに医師は2人。土日、夜間は常駐していません。さらにカルテの記録では、柊ちゃんの容体に異変があってから医師が駆けつけたのは2時間半後でした。

日本産科婦人科学会が作成した「産科医のためのガイドライン」。赤ちゃんの頭に負担がかかるため、「吸引後は経過観察が必要」などと注意点が定められています。また吸引する場合は、「赤ちゃんの頭がある程度の位置まで下がってからが望ましい」とその基準が示されています。

1/2ページ

最終更新:10/15(月) 16:04
ABCテレビ

あなたにおすすめの記事