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わが子を保育園に入れるために父として下した決断

10/17(水) 8:31配信

ITmedia ビジネスオンライン

 もしあなたが友人から「起業した」と言われたら、どのようなイメージを持つだろうか。「カッコイイ」「お金持ちになれそう」「社長になったの? すごい」。そのようなポジティブなイメージを持つのだろうか。また、「起業する」と聞いたら、その理由はなんだと考えるだろうか。「上場させたい」「やりたいことがある」など、目標があると思うだろうか。

【年収による保育料の比較】満3歳未満の保育料は、国基準では10.4万円だが、東京23区内では約7.9万円(東京都のWebサイトより)

 私は東証一部上場企業やベンチャー企業、外資系金融機関などで10年以上の会社員生活を経験した後、2018年6月に、金融教育に関わる会社を立ち上げ社長になった。なぜ社長になったのか。その理由には、最近騒がれている待機児童問題が関係している。社長になったことが、待機児童問題とどのように関係するのかと疑問に思うかもしれない。今回は私の実体験を基に、待機児童問題について述べていきたい。

目の当たりにした待機児童問題

 私は練馬区で住んでいて、現在3人の子どもがいる。最初に待機児童問題に直面したのは、第1子を0歳児で保育園に入れようとした14年だった。既に日本では待機児童問題が社会問題として報じられていたものの、しっかりと腹落ちしてはおらず、当事者意識を持ち得ていなかったのが正直なところだ。

 第1子が生後9カ月を迎えようとするころ、認可保育園に新年度の入園申請をした。しかし、1次募集にはあっけなく落ちてしまったのだ。そのときは「なるほど、これが待機児童問題か」と軽く考えていた。だが、何とその後の2次募集、3次募集でも落ちてしまった。 

 当時は妻も私もフルタイムの正社員であり、一般的には有利な条件であったにもかかわらず、入園可能な最低点数に満たなかったのだ。さらに追い打ちをかけるように、申し込みをしていた「認証保育園」(東京都が独自に定める基準をクリアした保育園)にも入れなかった。そんなこんなで路頭に迷っていたところ、保育室に預けることになっていた他の家族が3次募集で認可保育園に入れることになり、保育室の入室を辞退したため、1人分の空きができた。それで運よくその保育室に入ることができたのだ。

 保育室とは認可外の保育園であり、認可保育園に比べ保育料が高いなどのデメリットはあったものの、子どもの預け先を確保したことに安堵し、妻と一緒に胸をなでおろしたことを覚えている。

 認可保育園1次募集の結果発表から保育室への入室が決まるまで、約1カ月半かかった。その間、複数の認証保育園にも電話で問い合わせたが、多いところでは100人近い親が“空席”を待っている状態だった。妻も私もさまざまな手続きに忙殺されるとともに、子どもを預けられるかどうかはお互いの仕事、ひいては日常生活の過ごし方にまで大きな影響を及ぼすので、ずいぶんと精神的に消耗したのだ。

 ようやく預け先が決まってホッとする一方で、今、日本が直面している「待機児童問題」の深刻さを痛感することになった。この問題は子どもがいる家庭だけの問題ではない。わが国の将来にかかわる切実な問題なのだと確信を得たのだ。

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