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「米粒スパイチップ」だけじゃない 中国に“情報を盗まれる”恐怖

10/18(木) 7:30配信

ITmedia ビジネスオンライン

 10月13日、大阪のABC朝日放送の「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」という情報番組に出演した。番組では国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)総裁が突如行方不明になった事件について話をしたのだが、この番組中に扱われた別のニュースの中で興味深い話が取り上げられた。

【中国が米大手企業などの知的財産を盗んできた。その手法とは?】

 その話とは、米ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌が10月8日号で10ページにわたって報じた、中国によるハッキング疑惑についてだ。中国が、米大手企業が使うサーバなどのマザーボードにチップを埋め込んで、いくつもの企業に不正アクセスしていた可能性を記事は指摘している。

 このニュースに、問題のマザーボードを販売したスーパーマイクロ社や、それを導入していたApple(アップル)やAmazon(アマゾン)、さらに米政府までもが否定する事態になったのだが、実はこのニュースは意外でも何でもない。というのも、サイバー安全保障の関係者にしてみれば、この手口はこれまでも各地で行われてきたサイバースパイ工作だからである。

 このニュースに限らず、いま、世界を見るとこうした工作はもはや当たり前のように行われている。その実態は、私たちが思っている以上に深刻だ。そこで今回は、その一端を紹介したい。

アップルやアマゾンを攻撃? その正体とは……

 ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌の記事によると、アップルやアマゾンが使っているマザーボードには、米粒より小さく、削られた鉛筆の先端ほどの超小型マイクロチップが仕込まれていたという。そのマイクロチップは、中国の工場での製造・組み立ての段階、つまりサプライチェーンの過程で取り付けられたと、数多くの元社員や政府関係者が暴露している。

 そしてそのマザーボードが実際に使われると、攻撃者が遠隔でコンピュータにアクセスできるようになる。攻撃者がそのコンピュータを乗っ取ったり、情報を抜き出したりすることが可能になるという。

 ここで指摘されている攻撃者の正体は、中国軍だ。記事にコメントした米当局者によれば、アップルやアマゾンのような被害に遭っているとみられる企業は少なくとも30社に上り、その数はさらに多い可能性があると示唆している。

 すでに述べた通り、アップルもアマゾンも米国土安全保障省も、この記事の内容を否定している。確かに、事実だとすれば、企業にしてみれば許せない話である。しかも、私たちが日常的に使っているサービスを提供するアップルやアマゾンのサーバがすでに悪意のある攻撃者に乗っ取られているとなれば、私たち個人ユーザーが、やれセキュリティだ、やれ個人情報だ、と対策にいそしんでいること自体がむなしくなる。

 ただ、実はこうした話は決して目新しいものではない。

 というのも、中国が米大手IT企業などにハッキングなどで入り込んで、知的財産を盗んでいるというのはこれまでも明らかにされているからだ。

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