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息子はダウン症 子どもは誰もが天使であることを知った7年間の子育て 「知らなかったことは大きい」

10/22(月) 6:50配信

withnews

 東京都大田区の服部周<しゅう>君(7)は、この春に特別支援学校に入学した小学1年生です。ダウン症と自閉症をもつ周君。毎日元気に通学していますが、出産からしばらくは母りえ子さん(50)の心は深い闇の中にありました。でも、いまは「この子でよかった。素晴らしいギフトを与えていただいた」と感じています。7年の子育てから芽生えた思いを聞きました。(朝日新聞社会部記者・金子元希)

【イラスト】「得意なことなら達人に」「ルールがわかれば模範社員」ー発達障害「虎の巻」

〈「天の賜物」

小児科の医師は
私達の前で
紙をひっくり返し
周の染色体の写真を見せた

「正常よりも一本多いです」

二人で溢れる涙を流した
翌朝
僕は恩師に電話をした

「その一本の染色体に
 天の息吹がこもっています」

「これから僕と嫁さんで
 周が授かった賜物を探します」〉

――「詩集 我が家に天使がやってきた」より

詩に描かれた、生まれてから間もないころの様子

 これは周君の父剛〈ごう〉さん(43)=日本ペンクラブ会員、日本現代詩人会会員=が今年4月に出した「詩集 我が家に天使がやってきた~ダウン症をもつ周とともに」(文治堂書店)にある詩の一節です。

 2011年8月18日に周君が生まれてから間もないころの様子が描かれています。

 私が周君と知り合ったきっかけは、今年6月に朝日新聞の教育面で掲載した「いま子どもたちは」の「まこさんの成長」という連載でした。

 記事では公立中の特別支援学級に通うダウン症の中学1年生である「まこさん」の成長の日々を紹介しました。取材をする中で、剛さんの詩集の存在を知り、服部家を9月に訪ねました。

医師に告げられた「心臓に穴が開いています」

 7年前の出産当時、りえ子さんは43歳。初産としては高齢で不安もありましたが、夫婦で「命の選別はしない」と決め、羊水検査などは受けませんでした。

 会社勤めをしており、産後は子どもを保育園に預けて職場に復帰するつもりでした。「どうやって育てようかな」。授かった命への期待に胸をふくらませていました。

 仕事を続けていた妊娠8カ月のとき、母子の健康状態が悪いと診断され、急に帝王切開で出産することになりました。

 体重は1700グラム余り。すぐ新生児集中治療室(NICU)に移されましたが、りえ子さんは「五体満足でよかった。見た目も健康そう」と安心していました。

 でも、医師たちの様子がおかしいのです。「心臓に穴が開いています」と告げられ、ダウン症の疑いがあると言われました。検査の結果、3週間後に確定しました。

 「自分が障害児の親になるとは」。りえ子さんは直面した事実に落ち込みました。夫の剛さんは長男でした。「実家の跡取りは?」「お墓は?」「こんな年だから、もう何人も産めない……」――。そんな「現実的な問題」ばかりが頭に浮かびました。

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最終更新:10/22(月) 12:48
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