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南極観測船「しらせ」がなぜ被災者支援? 北海道地震、実は「偶然居合わせたから」

10/20(土) 11:11配信

乗りものニュース

苫小牧港沖停泊中に被災した「しらせ」、そのまま初の災害派遣参加へ

 オレンジと白に塗られた大きな船体が特徴の南極観測船「しらせ」が、北海道胆振東部地震において災害派遣に参加しました。現在の「しらせ」は2代目にあたりますが、災害派遣に参加するのは初めてのことです。

【写真】実は激レア! 「しらせ」のエレベーター

「しらせ」は、文部科学省の国立極地研究所が南極地域観測隊の輸送や研究目的で建造した船ですが、実は海上自衛隊に所属する艦艇なのです。文部科学省と極地研究所は「南極観測船」と呼び、海上自衛隊は「砕氷艦(さいひょうかん)」と呼んでいます。

「しらせ」は例年11月ごろに、東京にある晴海ふ頭を出港して、オーストラリアを経由してから南極へ向かいます。南半球では夏となる氷が薄い時期に、自重を使って南極海の氷を割りながら進んでいきます。南極にある昭和基地に到着すると、観測隊の交代や、燃料、食料などの補給活動などを、しばらくのあいだ行います。そののち4月頃に東京へ戻り、必要な整備をしたあとに、総合訓練として日本各地の港に立ち寄ります。この時に公開される「南極の氷」は、南極で直接採取された物で、イベントに訪れた多くの来場者が、直接氷に触れたり、氷が溶けた時に発生する「パチパチ」と弾ける音を聞いて楽しんだりしています。ちなみに、観測隊の隊員が個人的に持って帰れる氷の重さは、ひとり10kgまでだそうです。

 そのような「しらせ」が、今回、北海道胆振東部地震にて初の災害派遣を経験したわけですが、なぜ参加することになったのでしょうか。その理由は「偶然そこに居合わせた」からでした。

 2018年9月6日の地震発生時、「しらせ」は総合訓練の一環として、翌7日に行われる一般公開のために、苫小牧港の沖合いで停泊していました。地震の揺れは海の上でも感じたそうで、地上での揺れ方と違い、船体全体が横に揺れるような感覚だったそうです。

 震源地から近い位置にある苫小牧港ですが、地震による港湾施設の破損はありませんでした。そのため「しらせ」は苫小牧西港区南ふ頭に接岸し、被災者支援のための災害派遣活動を開始しました。

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最終更新:10/22(月) 18:13
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