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岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち 低投票率の中間選挙を左右する若者

10/21(日) 13:40配信

J-CASTニュース

 2018年11月6日の中間選挙に向けて、投票率を上げようと、全米でさまざまな取り組みが行われている。

 中間選挙は、大統領選の中間の年に行われる上下両院議員と州知事などの公選職の選挙だ。トランプ政権の国民による審判ともいえ、この結果が政権の今後を左右することになる。

 米国で大統領選挙の投票率は毎回、60%前後だが、11月の中間選挙の投票率は40%と低い。2014年の中間選挙では36%と、第2次大戦後最低だった。

 ■「パタゴニア」は投票日を休業に

 世論調査によれば、選挙に関心があっても投票の過程がよくわからない、仕事や学校のスケジュールが合わない、といった理由をあげる人が多かった。

 投票したくても、投票所までの交通手段がない人も多い。タフツ大学の調査では、2016年の大統領選で18-29歳の有色人種の38%、白人の27%が、投票しなかった理由に交通手段を挙げている。

 全米のいくつかの都市では、公共交通機関を無料にする案が検討されている。サウスキャロライナ州のコロンビアでは、COMETというバスが選挙当日、無料になる。

 大手配車サービスの「リフト」と「ウーバー」は、非営利団体と提携し、交通手段がなくて投票に行けない人を、投票所まで無料、あるいは半額で送り届けると発表した。ウーバーは有権者が当日、アプリで投票所を検索できる投票所ボタンを開発した。

 アウトドア用品の製造・販売会社「パタゴニア」は、従業員が投票に行けるように、中間選挙の投票日には休業することに決めた。本社や配送、カスタマーサービスのセンター、さらに全米の店舗が閉まる。従業員が仕事を心配することなく国民の義務を果たせるようにと、ほかの企業にも休業を促している。

 同社の米国のウエブサイトに入ると、トップページは一面黒地で、大きく白文字で「Democracy requires showing up.(民主主義は姿を現すことを要求します)」が現れる。そのすぐ下に「Go vote」のボタンがあり、有権者登録サイトに誘導される。

 「パタゴニア」は環境問題に力を入れ、トランプ政権によるパリ協定離脱に反対を表明してきた。

■18-24歳の投票率は20%

 テキサス州では民主党候補者らが10日間のバスツアーを企画。州内40ほどの町を巡ってイベントを行い、自分たちへの投票を促した。

 民主党の州知事候補のルーペ・バルデス氏は、「テキサスは『赤い州』ではなく、『投票しない州』なのです」と訴えている。

 民主党支持者らは現政権への強い危機感から、若者たちの投票喚起に力を入れている。若い層は比較的、リベラルな人が多いが、政治に関心が薄くて投票率が低いからだ。

 世論調査によると、ミレニアム世代(現在の22-37歳)でトランプ大統領の初年の業績を評価した人は27%と、より年齢の高い他世代と比べると極めて低かった。一方、オバマ大統領ではミレニアム世代が64%と、群を抜いて高かった。

 しかし、過去4回の中間選挙で、18-24歳の投票率はわずか20%。今年の世論調査でも18?34歳の若者の44%が「政治に関心が薄い」、「政治に関心がない」と答え、「中間選挙で必ず投票する」と回答した人は3割だった。

 「アメリカは今、かつてないほどに、君の声が必要なんだ(Now, more than ever, America needs your voice)」と訴えるのは、非営利の政治団体「ネクストジェン・アメリカ」だ。

 これまで環境問題などを中心に活動してきたが、今年は若者への投票の呼びかけに力を入れている。ネットやイベントで有権者登録や投票の案内をし、投票直前に投票所への行き方などのリマインダーを送る。

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最終更新:10/21(日) 13:53
J-CASTニュース

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