ここから本文です

人気の秘湯早期復旧求める 舘岩・木賊温泉

10/21(日) 10:35配信

福島民報

 今月一日未明に福島県内を襲った台風24号の影響で南会津町舘岩地域にある木賊(とくさ)温泉の岩風呂の共同浴場に川砂が流れ込み、利用できない状態が続いている。渓谷沿いの「秘湯」として人気を集めていたが、復旧の見通しは立っていない。近くの旅館や民宿は「木賊のシンボルだった。客足が遠のく」と頭を抱え、町や河川を管理する県に対し、周辺に堆積した砂の撤去を要望している。
 西根川沿いにある岩風呂は千年前には温泉が湧き出ていたとされ、木賊温泉の始まりという。岩風呂は二十四時間入れる混浴で、入浴料は一回二百円。住民でつくる組合が管理運営している。清流を眺めながら入浴でき、毎年十月の行楽期には全国から一日百人以上が訪れていた。
 台風24号の豪雨で上流の火山灰質の山が崩れたとみられ、大量の砂が川に流れ込んだ。岩風呂は砂で埋まり、川の一部となっている。これまでも毎年、豪雨のたびに土砂が流入し、住民が砂をかき出すなどしてすぐに復旧していた。今回は砂の堆積で一・五メートルも川底が上がったため三週間たっても水が引かず、手がつけられないという。木賊区長の橘喜久一さん(70)は「今までこんなことはなかった」と驚く。
 木賊温泉には旅館と民宿が計六軒あり、宿泊客の多くが岩風呂を目当てに来る。目玉の岩風呂が利用できず、宿泊客は減少している。共同浴場組合代表の橘美宏さん(72)が経営する民宿若松屋では、岩風呂が利用できないことを告げると予約を断られるケースが相次ぐ。十月の宿泊客は例年の半分以下で、「死活問題だ」と悲鳴を上げる。
 要望を受けた町や県も対応に苦慮している。砂は軟らかいため重機の投入は困難で、岩風呂周辺だけかき出しても上流からまた砂が押し寄せる。現地調査を続け、対応策を検討している。長期間土砂に覆われると温泉の水脈が変わる可能性もあるという。近くで旅館井筒屋を営む橘和成さん(62)は「岩風呂は木賊の宝。応急措置だけでも取らないと」と心配している。

福島民報社

最終更新:10/21(日) 10:51
福島民報

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ