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68年間、味が変わり続けていた真実…『パインアメ』の穴から“次の時代”が見通せる

10/23(火) 7:02配信

関西テレビ

今も昔も多くの人に愛されている、黄色く穴の開いた、ま~るいアメと言えば…?

60代女性:
「よく持ってますよ。かばんにも入ってます」

20代女性の2人組:
「吸ってなめて、最後まで穴がきれいに残ったらイェーイみたいな(笑)」
「わかるーっ!」

大阪の「アメちゃん」の定番『パインアメ』!

最近では、菓子業界以外からもひっぱりだこでコラボ商品も続々。

パイン上田豊社長:
「どんどん広がっていって、気付いたらまだ続くのっていう…社長自身がびっくりしたぐらいですから」

さらに、公式ツイッターのフォロワー数はおよそ12万人!

なぜこれほどパインアメの人気が続くのか?68年もの間、愛されるワケを徹底調査しました。

■誕生は「庶民の憧れを形に」

取材班が向かったのは、滋賀県草津市にあるパインアメの工場。

全国に出荷されているパインアメは、全て滋賀工場で生産されていて、多い日には1日に約3万2000袋を出荷しています。

たくさんのこだわりが詰まっているというパインアメの製造工程。

パイン開発部・木下次長:
「真空窯で砂糖と水を煮詰めたものに、パインアメに一番マッチした果汁を選んでいます。いろいろ調べた結果、タイ産のものが一番美味しいかと思います。甘すぎず、香りもですけど、1度食べたらその時に2粒3粒食べたいなと思っていただけるような、ちょうどいい味のバランスがこだわりです」

1951年、大阪市で誕生した『パインアメ』。それは、庶民の憧れを形にした商品でした。

70代女性:
「パインなんて食べたことのない時にパインアメを食べてる。『これがパインの味なんや』って(笑)」

パイン上田豊社長:
「デルモンテのパイン缶の切り口のようなキャンディー作ろうっていうのが発想なんです」

こう話すのは、2代目社長の上田豊さん。父親である創業者の保夫さんがパインアメを開発しました。

上田社長:
「パイン缶は当時で100円以上していたような気がして、高かった。そういうところに着眼点を置いて、皆さん方に安く召し上がっていただこうという開発魂だったんでしょうね。この時、パインアメはビンで売ってたんですけど、記憶では1粒50銭です」

開発当初は、缶詰のパインを象徴する穴を、従業員が割り箸でつついてあけていて、全員が腱鞘炎になってしまったというエピソードも…。

またアメをよ~く見ると、表面には放射状の線が24本あり、角には少し窪みが。滑らかな舌ざわりになるように計算されて作られているのです。

上田社長:
「型が命なんです。どうしたら口の中でおさまりがいいかとか、どういう丸みがついてたらいいだとかいうの全て型なんでね。型はこだわらないと売れないですね」

■実は68年間変わり続けていた

そんなパインアメには、意外と知られていないヒミツがあったんです。それは…。

パイン開発部・木下次長:
「パインアメの改良の部分をですね。ほんの少しだけですけど、ご覧いただこうかなと」

まるで台所のような研究室では、専門の社員が原料の配合などを微妙に変化させながら、手作業でパインアメを試作。

なんとパインアメは68年間、日々研究を重ね、実はこれまでに何度も味を変化させていたんです!

しかし、できあがった試作品と、今実際に売られているものを食べ比べてみても、違いが分かりません…。

開発担当者:
「お客さんがすぐに分かるほど差があると、ヘビーユーザーの人が逃げていっちゃうんですよね」

木下次長:
「景気の良し悪しみたいなものも多少あって、お財布が豊かになってくると、割とおいしいものを食べたり、こってりしたゴージャスなもの食べたりするじゃないですか。そうすると少しあっさりしたものが受けるとか。こういう時代がくるかなみたいなことを考えながら商品に反映させています」

■お金をかけない広告戦略

そんなパインアメの人気を裏付けているのが、係長マッキーが更新している公式ツイッター。およそ12万人ものフォロワーがいるのです。

年齢性別不詳で、取材時にはパインアメの被り物を装着していらっしゃいました。

1件1件ツイートに返信していて、その数、毎朝200件!

上田社長:「知らなかったです…」

もともとは、係長マッキーが個人的に始めたツイッターですが…。

上田社長:
「最初は分からなかったんですけど、無料の広告になるということに気がつきまして、『あ、なるほどな』と。今の時代に合ってるんじゃないかと思います」

お金をかけない広告戦略はほかにもあります。

案内されたのは、本社から車で10分ほどの『あべのハルカス』にある展望カフェ。ここにはパインアメとのコラボ商品、その名も「パインアメソフトクリーム」が!

オープンの際、「名物になるような商品を作りたい」と、カフェ側からの提案で実現。パインアメの爽やかな甘味があり、砕かれたアメがちりばめられ、見た目も黄色でかわいらしく仕上がっています。

企画したゼットン開発部・長久室長:
「ハルカスから見渡せる場所でとれるフルーツとか、京都の抹茶とかを、考えたんですけど、ありきたりでしたし、もうパインアメしかないと思いましたね」

発売当初は、予想の6倍となる売れ行きを記録。1か月で約1万8000個が売れました。

ほかにも、アパレルメーカーとコラボして作った1着5万円のジャケットは完売。またリップクリームにふきんなど、これまでに約30社とのコラボ商品を展開しています。

上田社長:
「コラボ商品は、基本的にはあちらからのご依頼で始まります、よそ様が弊社のキャンディーを使ってPRしてくださいますから、これって宣伝効果にしたら大きいですよね」

ロングセラー商品だからこそコラボの依頼が相次ぐパインアメ。様々なコラボ商品が生まれ、菓子売り場以外の場所でも、ちゃっかりPRしちゃってるんです。

そんなパインアメのモットーは…?

上田社長:
「『これやったらお客さん喜んでくれるんじゃないか』という考え方を常に持っていたら、事業とか商売は楽しいものだと思います」

68年間愛され続けてきたパインアメ。

これからも消費者に寄り添いながら新たな歴史を刻むことでしょう。


(関西テレビ10月16日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:10/23(火) 7:02
関西テレビ

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