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ネット時代到来、経団連会長の執務室にパソコンを初導入

10/24(水) 14:48配信

THE PAGE

 経団連会長の執務室に初めてパソコンが導入されたという驚くべきニュースが飛び込んできました。これまで経団連では紙ベースで仕事をしてきましたが、新しく会長に就任した中西宏明氏が電子メールでの業務実施を希望し、導入が決定したそうです。

 このニュースにネット界隈は、騒然となっています。何より、今まで電子メールを使わずに仕事が進められていたことに驚きの声が上がりました。しかし日本のパソコン普及率は諸外国に比べて異様に低いというのが現実であり、推定で米国の半分程度しかありません。一部のトップがパソコンを使わないというのは十分にあり得る話でしょう。

 経営トップがパソコンを使うかどうかというテーマが米国で話題になっていたのは今から25年も前のことです。1993年、業績が悪化した米IBMの経営トップに就任したルイス・ガースナー氏は、初めて入ったIBMの社長室にパソコンがないことに驚き、これをきっかけに社内の業務改革を進め、同社を復活に導きました。

 経営トップには専属の秘書が付くことがほとんどですが、諸外国の企業では、トップが直接、メールで指示を出すのはごく普通のことになりました。パソコンを使っていない経済団体のトップが、いくらIT化や国際競争力の強化を叫んだところで、絵に描いた餅に終わるのは容易に想像できます。

 しかしながらパソコンが苦手、あるいはあまり使いこなせていないというのは、経団連だけの話ではありません。著名キャスターの古舘伊知郎氏はかつて番組中で「パワーポイントが何なのか分からない」と発言し世間を驚かせました。最近では自民党の石破茂元幹事長が、自らのブログにおいて、パソコンのワープロソフトの操作ミスで記事アップに失敗したことを明らかにし、「かつてのワープロ専用機をもう一度発売して欲しい」と主張しています。

 しかも、こうした話は年配者に限りません。先進諸外国では中高生は、ほぼ全員、スマホに加えてパソコンも保有しており、授業や宿題もパソコン使用が前提ですが、日本の中高生におけるパソコンの保有率は国際的に突出して低いという結果になっています。

 欧州では日本の消費税にあたる付加価値税を導入する際、日本よりはるかに複雑な軽減税率制度が適用されましたが、零細事業者を含め、ほとんどの店舗にパソコンが導入されていたことで、混乱なく導入が進みました。しかし日本では零細事業者の店舗の多くにはパソコンがありませんから、複雑な税率を計算するためにはかなりの労力が必要となります。一部からは軽減税率の導入がスムーズに進まないという指摘が出ています。

 IT機器は触れる機会がなければ使いこなすことができません。まずは台数を普及させることから進めていく必要がありそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/24(水) 18:26
THE PAGE

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