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実は石鹸名じゃない、全く牛乳入ってない…“赤箱女子”に人気!『牛乳石鹸』意外な秘密

10/28(日) 8:02配信

関西テレビ

皆さんが毎日使う物といえば、石鹸。

売り場に並んでいるのは、ほとんどが液体や泡のタイプで、固形石鹸の販売数は2000年に6万トン余りだったのが、2017年には4万トン余りと、年々減っています(資料:経産省鉱工業動態統計室、作表:日本石鹸洗剤工業会より)。

そんな時代に…。

女性:
「牛乳石鹸、ずっと使ってます」

別の女性:
「牛乳石鹸!結構昔ながらの」

さらに別の女性:
「赤の箱のやつ、牛乳石鹸。赤の箱の」

 発売から今年で90周年となる牛乳石鹸の「赤箱」を使う若い女性“赤箱女子”たちが急増しているんです!

メーカーの担当者:
「そういったプロモーションはやったことがなくて、社内でもとてもみんなびっくりして…」

実は、作っている会社でも全く予想していないことでした。

90年経って再び火が付いたワケを探っていくと、知ってそうで意外と知らなかった秘密がありました!

■あの石鹸は「牛乳石鹸」じゃない

皆さんにおなじみの固形石鹸の定番商品。実は大阪の会社・牛乳石鹸共進社で作られているんです。

牛乳石鹸・マーケティング部 宮崎さん:
「当社の顔の商品『赤箱』の歴代パッケージがこちらです。創業の中で一番古い商品になるんですけど」

薄田ジュリアキャスター:
「初代は、なんでこんなデザインに?牛のお乳から…」

牛乳石鹸・宮崎さん:
「ミルクが、垂れ流し状態なんですね」

初代の斬新なパッケージに触れた早々、意外な事実が!

牛乳石鹸・宮崎さん:
「皆さんよく勘違いされていることがありまして、実はこの商品は『牛乳石鹸』ではないんですよ。牛乳石鹸は社名なんですね」

薄田キャスター:
「会社の名前は牛乳石鹸共進社で、そこが作っている牛乳石鹸」

牛乳石鹸・宮崎さん:
「ではないんです。赤箱石鹸です」

薄田キャスター:「ええーーっ!?」

実は「牛乳石鹸」は会社の名前。正しい商品名は「カウブランド 赤箱」なんです!

でも、皆さん一度は聞いたことがある、「牛乳石鹸 良い石鹸♪」というCMソングでは、商品名っぽく歌っていますが…。

牛乳石鹸・宮崎さん:
「牛乳石鹸(が作る石鹸は)良い石鹸♪ なんです」

■戦時中“穴”に隠れて生き残る

そんな牛乳石鹸の「赤箱」は、1928年の発売当初から海外にも輸出されるほどの人気商品でしたが…。

1941年、太平洋戦争が勃発。大阪への空襲が激しくなる中、驚くべき方法で戦争から生き残ったのです。

牛乳石鹸・宮崎さん:
「当社の工場とかも空襲で丸焼けになってしまったんですけど、ただ当時、機転の利く社員が穴を掘って香料を隠していたんです。工場の敷地の中に」

戦後、配給品として質の悪い石鹸が出回る中、地下に残していた香料のおかげで「赤箱」だけはいい香りがすると評判になったのです。

戦火をくぐり抜け超ロングセラーとなった赤箱が今、若い女性に注目されるきっかけになったのが…。

牛乳石鹸・マーケティング部 山本さん:
「2015年に口コミサイトの洗顔料部門で1番をとりまして…」

SNSを中心に赤箱が洗顔でも使える!と話題になり、日本最大のコスメ・美容の総合サイトでベスト洗顔料に選ばれたのです!

販売個数は、2008年の1419万個から2014年までほぼ横ばいだったのですが、2015年から急上昇!2017年には2136万個まで伸びています。

赤箱の良さについて、使っている街の女性は…?

女性:
「皮膚が弱いんでいつも牛乳石鹸使ってます。顔はめっちゃ泡をモコモコにして洗ってます」

別の女性:
「洗った後の鼻の横がすごいんです。何て言うのか…ちゅるちゅるして」

さらに別の女性:
「安い、安い!液体のやつは、すぐなくなるけど、どこまでもどこまでもまだあるみたいな」

1個100円(税別)というコストパフォーマンスの良さにも魅力を感じているようです。

■泡に空気を含ませるとモコモコに

そこで、洗顔に最適な『モコモコ泡の作り方』を教えて頂きました。

牛乳石鹸・山本さん:
「まず泡立てる前に手が汚れているときれいな泡が立たないので、まずは手をきれいに洗っていただきます」

泡立てに使うのはぬるめのお湯。あまりゴシゴシせずに石鹸を手の中で転がすようにするのがポイントです。

ある程度泡が出来たら、指で泡に空気を含ませ、きめ細かくしていきます。およそ1、2分で、ひっくり返しても手から落ちないモコモコ泡の完成です!

赤箱女子デビューした薄田キャスター:
「洗い上がりが…化粧水いらなさそうです。全然、肌が突っ張ってません」

■牛乳は入っていない

幅広い世代を魅了する牛乳石鹸の主力工場があるのは大阪市鶴見区。年間1億2千万個もの石鹸が作られているんです!

薄田キャスター:
「釜がたくさんありますね」

牛乳石鹸・宮崎さん:
「これが石鹸を作るときに使う大型の釜になります」

ここで行われているのは創業当時から続けている、こだわりの「釜炊き製法」です。

こちらの釜をボイラーで温めながら、原料である「牛脂」「ヤシ油」に苛性ソーダを加えて石鹸にしていきます。

薄田キャスター:
「牛乳はどのタイミングで入れるんですか?」

牛乳石鹸・宮崎さん:
「実は皆さん勘違いされているんですけど、うちの商品には牛乳は入ってないんです。牛乳は入れてしまうと腐ってしまうので商品の中には入れられないんです」

薄田キャスター:
「そうなんですか!?じゃあ、あの牛のマークは?」

牛乳石鹸・宮崎さん:
「牛乳石鹸の会社のマークです」

ちなみに牛のマークは、「商いは牛の歩みのごとく」ねばり強く前進せよという創業者・宮崎奈良次郎さんの経営理念から来ているんだそうです。その言葉通り、工程はかなり根気がいる作業。

原料を加熱しながら混ぜ、食塩水を入れて寝かせると石鹸の素と、それ以外の水分に分離します。これを繰り返すことでできる良質な石鹸の素から商品を作っているんです。

かかる時間はなんと5日間。しかも手作業も多いんです。

Q.作業で一番何が大変ですか?
牛乳石鹸・製造部 宮崎さん:
「一番は暑さですね。夏場の工場内は50度ぐらいです。特に今年の暑さはびっくりしましたね」

固形石鹸の素は、他社では機械で40分ほど作られていますが、5日間かけてじっくり作ることで、原料の油分が保湿成分として程よく入った、肌に優しい石鹸になるんだそうです。

ひと手間かけるのは、機械化された作業でも同じ。人の手で15分に1回検品が行われ、最後はなんと香りまでチェックしているんです!

牛乳石鹸・製造部 上田さん:
「私自身、石鹸が好きなのでいい匂いやなと(笑)やっぱり肌に直接触れて使っていただくものなので、きれいな状態の方がいいかなと思います」

再び、若い女性の注目を浴びている牛乳石鹸の「赤箱」。

箱の中には、90年分の歴史と決して泡と消えない作り手のこだわりが詰まっていました。


(関西テレビ10月23日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:10/28(日) 8:02
関西テレビ

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