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マンション反対運動で暴行事件をでっちあげ 無罪勝ち取るも国からの謝罪なく

10/29(月) 10:34配信

アジアプレス・ネットワーク

名古屋市瑞穂区白龍町でマンション建設に反対し、工事の現場監督を突き飛ばしたとして暴行の罪で逮捕・起訴され、その後、無罪が確定した薬剤師の奥田恭正さん(61)が違法な逮捕や起訴などで精神的な苦痛を受けたとして国や県などを訴えた裁判の第1回口頭弁論が10月2日、名古屋地裁であった。奥田さんは「無罪を勝ち取ったが、逮捕歴は残る。警察が捜査で得た指紋やDNAなどの個人情報を抹消して一般市民に戻してほしい」と訴えている。(矢野宏/新聞うずみ火)

◆監視カメラ映像が決め手に

白龍町は幹線道路から入った閑静な住宅街。新旧の住民が混在する街に突然、15階建てマンションが建設されることになった。周辺住民たちに十分な説明もなく、2016年7月に着工。住民たちは「名古屋白龍 住環境を守る会」を結成し、20人ほどが交代で通りに立って建設反対を訴えた。この町で生まれ育ち、薬局店を経営する奥田さんはリーダー的存在だった。

10月7日、奥田さんがマンション建設現場の入口付近で工事を見守っていると、現場監督が近寄ってきて小競り合いになる。現場監督が「奥田さんに両手で胸を突き飛ばされ、ダンプカーにぶつかった」と通報、奥田さんは駆けつけた警官に現行犯逮捕され、その後起訴された。

工事現場には監視カメラが設置されており、現場監督と向き合う奥田さんの背後から撮影されていた。現場監督は奥田さんの前に立ちはだかり、両手を伸ばしている。奥田さんが逃れようと身体を右側にひねり、現場監督はダンプカーの動きを確認しつつ倒れ込む様子が映し出されていた。

これを警察側が証拠として提出したが、弁護側は専門家に鑑定を依頼。「奥田さんは前に手を出していない。現場監督は不自然な動きで倒れた」ことを立証した。守る会のメンバーたちも「不当逮捕」の事実を広め、支援を増やした。

今年2月13日、名古屋地裁は「現場を撮影していた防犯カメラの画像記録からは、被告が両腕を組んでいたことが認められ、証言と整合しない」と指摘。現場監督と警備員の目撃証言についても「あいまいで信用できない」として、奥田さんに無罪を言い渡した。検察は控訴せず、無罪判決が確定した。

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