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元慰安婦映画上映機に後援運用見直し 茅ケ崎市「抗議多数、業務に支障」

10/29(月) 6:30配信

カナロコ by 神奈川新聞

【時代の正体取材班=松島 佳子】茅ケ崎市内で今月あった元慰安婦の女性が題材の記録映画の上映会を巡り、後援していた市と市教育委員会は28日までに、今後の名義後援の運用を見直す方針を明らかにした。市は理由について「後援への抗議が多数あり、業務に支障が出た。騒ぎになるリスクを減らすため」などと説明。また、12月に横須賀市内で同映画の上映会を開く市民の後援申請を、横須賀市などが断っていたことも分かった。

横須賀市は後援申請断る
 今月16日に茅ケ崎市民文化会館で上映されたのは、茅ケ崎市に住む映画監督、朴(パク)壽(ス)南(ナム)さん(83)が制作したドキュメンタリー映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」。先の戦争で旧日本軍の「慰安婦」にさせられた女性たちの証言や闘いを記録映像で描いている。

 上映会は、市民による実行委員会が「日本やアジアの歴史を知り、多角的に学べる場になれば」と企画。市と市教委は「市民による文化、社会教育活動の振興を支援する」という考えに基づき後援した。

 これに対し、保守層や一部の団体などが「日本国と日本人を貶める映画の上映を後援することは許されない」などと反発し、電話やメールで後援の取り消しを迫った。市議会の自民党会派も「最新の政府見解と異なり、後援名義使用は政府の外交努力に水を差すことになりかねない」などとして抗議文を市に提出した。

 今回の後援について、市と市教委は「問題はなかった」とする一方、19日に市のホームページで名義後援の使用承認に関する要綱の運用見直しを検討すると表明。市は取材に対し「抗議への対応で業務に支障が出ており、上映会当日も警察が出動するなど世間を騒がせた」と説明、今後の運用について「各課によってばらつきがないかを検証し、今回のような騒ぎにならないようリスクを減らす方法を検討していく」とした。

 一方、同映画の上映会は12月に横須賀市内でも市民による実行委員会の主催で予定されているが、市と市教委は実行委の後援申請を不承諾とした。

 市は「慰安婦問題についてはさまざまな意見がある。一つの考えを示すような映画の上映会を後援することは、市の政治的中立性を損ないかねない」、市教委は「市民に混乱をもたらす恐れがある」とした。

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