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開業してわかった 日本でピルが普及しない理由

10/30(火) 11:33配信

BuzzFeed Japan

産婦人科医の私が東京・丸の内にレディースクリニックを開業して1年が経ちました。おかげさまで周辺で働く女性を中心にたくさんの方に受診していただいています。

その中でも多いご相談が、生理痛や月経前症候群(PMS)という、月経周期に連動して起こる症状に関するものです。

近隣の企業に、女性の健康についてのセミナーをしに伺っても、同じように「生理が毎回重くて、痛み止めを飲んでも完全には効かない」「生理前になると体調が悪くなってイライラする」という声をよく聞きます。

また、私生活でおつきあいのある、世界を股にかけバリバリキャリアを積み重ねている女性たちも、月経の話になると「つらい」「重い」と言って共感し合っています。

どうにかできないのでしょうか?
【寄稿:宋美玄・産婦人科医 / BuzzFeed Japan Medical】

低用量ピルってどんな薬?

女性活躍推進と言われて久しいですが、経済産業省の健康経営優良法人認定制度「ホワイト500」の認定基準に、ようやく女性ヘルスケアの視点が取り入れられました。

「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」「ヘルスリテラシーの向上」などがそれに当たると思います。

「生理は女の証」「デトックス」などと月経をポジティブにとらえたり、「生理痛はあって当たり前」とつらくても問題視していない人も多いと思います。

しかし、本来月経周期と排卵は「生殖」のためにあるということを思い出していただきたいです。

現代女性の人生のうち、「今月妊娠したいな」と思っている月はそんなに多くありません。

二種類の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が入っていて、エストロゲンの用量が低い低用量ピルは、排卵を抑えたり子宮内膜を薄くしたりして、月経周期に伴う症状を軽くすることが期待できるホルモン療法です。

同時に、妊娠したくない時にコンドームよりも確実に避妊をすることもできます。

副作用のイメージが強い方も多いと思いますが、比較的頻度の高い吐き気や不正出血は怖い副作用ではありません。重大な副作用として血栓症がありますが、20~30代で標準体重の非喫煙者では稀な副作用です。

その他にも月経による負担を軽くするホルモン療法はいくつもありますが、特に20~30代の女性にとって、低用量ピルはとても有益な薬で、私自身も第1子の出産前後に7年間飲んでいました。

講談社が出版する週刊誌「週刊現代」に「女医は月経があるから長時間の外科手術に向かない」などと書かれた記事が載っていましたが、産婦人科の女性医師は低用量ピルをはじめとしたホルモン療法により、月経随伴症状に煩わされっぱなしという人はあまりいないです。

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最終更新:10/30(火) 11:33
BuzzFeed Japan

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