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“逃げ”が失敗かどうかは自分が決めること。20代で9回転職した女社長の「逃げの哲学」

10/30(火) 12:01配信

新R25

「転職はとりあえず3年働いてから」とよく耳にします。イヤなことからすぐ逃げるのは根性がない気がしますし、実際に3年続けることを目標にして耐えている人も多いでしょう。

しかし、どんなところにも異例はあるもの。有限会社イイコ社長・横山貴子さんは、20代のうちに9回も転職をしたという異色の経歴の持ち主です。

転職を繰り返したのちに独立し、飲食業界で起業。食べログ3.5以上をマークするような「看板のない人気店」をいくつも輩出してきました。

9回も転職して、職場から逃げつづけているようにも思えますが、一体どんな意図があったのか。多数の業態変更も含めて、「逃げの哲学」について伺いました。

納得いかないことに使う時間がもったいないので、逃げていた

ライター・森:
横山さんは20代で9回転職されたんですよね。どうしてそんなに何度も会社を変えたんでしょう。

横山さん:
入る前とのギャップを感じて辞めることが多かったですね。一番長く続いた職場でも、29~33歳までの4年間。3日で辞めた職場もありました。

ライター・森:
3日ですか!? 転職する際に会社について調べたりはしていましたよね…?

横山さん:
30年ほど前ですから、まだインターネットが発達していなかった時代。今みたいに転職サイトや会社のホームページを読み込むなんてできなかったから、新聞広告や求人情報誌に書かれているわずかな情報で判断していたんです。


ライター・森:
たしかに、それだと把握できることはわずかですね。

横山さん:
「広告代理店」という響きに憧れて入ったら、風俗の広告を専門で扱う会社だと後から知ったこともあります。

面接などで教えてくれていたらいいのですが、まったく言及されず、怪しい会社だと思って辞めました。

ライター・森:
情報が少ないということは、「思っていたのと違う」という理由で辞める人が当時は多かったんですか?

横山さん:
そう思いますよね。でも、転職する人は今より少なかったんです。新卒で入った会社で定年まで働きつづけるのが普通でした。

当時の世間的には、最初に入った会社で定年まで勤め上げるのが立派だったかもしれません。でも私は「自分の意思で変えられることなのに、わざわざ我慢する必要はない」と思っていました。

納得いかないことに使う時間がもったいないので、“逃げる”ことを選んでいたんです。
ライター・森:
でも何度も転職を続けていると、「どうせすぐ辞めるだろう」と思われて、周りに距離を置かれてしまうのでは?

横山さん:
そんなことはありませんでしたよ。すぐに辞めても職場の人と信頼関係を築けます。元同僚や取引先とは、転職後も定期的に連絡を取っていました。

ライター・森:
そうやって積極的にやり取りをしていたから、縁を保てていたんですね。その縁が仕事に活きた経験はありますか?

横山さん:
立ち上げの時期のアクセサリー会社へ入ったときに、その前にいた職場の同僚に「こっちの会社に来ない?」と引き抜きを持ちかけたら、5人くらい付いてきてくれましたね。

ライター・森:
それはすごい! 短い期間でも引き抜きできるほどの仲になれるんですね。信頼関係を築くためのコツがあるんでしょうか?

横山さん:
逆説的な言い方になりますけど、意識的に「仲良くしよう」なんて思わないことですかね(笑)。

職場の人に対してそんなこと思っても、どうせ薄っぺらい関係しか築けないと思いませんか?

横山さん:
本当に大切なのは、どんなときも本音で話せる相手かどうか。仕事や利害関係抜きに、「これからも飲みに行きたい」と思える人とだけ、つながりを持ちつづけていました。

そういう人との関係のほうが、結果的に仕事に役立つものですよ。

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最終更新:10/30(火) 12:01
新R25

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