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ユニクロ、柳井氏長男・次男が取締役就任。しかしあくまでも株主として。後継者問題は解決していない?

2018/10/30(火) 14:34配信

THE PAGE

 ユニクロを展開するファーストリテイリングは、柳井正会長兼社長の長男である一海氏と次男の康治氏の2名を取締役に選任する人事を発表しました。かねてからユニクロは後継者問題が取り沙汰されていましたが、2人の子息が会社の経営トップを引き継ぐのでしょうか。

 同社は柳井氏が実家の家業を引き継ぎ、大企業に育て上げたという経緯があり、柳井氏が事実上の創業者といってよい状況です。柳井氏のカリスマ的なリーダーシップが同社をここまで大きくしたわけですが、このようなカリスマ創業者が牽引する会社は常に後継者を誰にするのかという問題に突き当たります。

 かねてから柳井氏は自身の子息には会社の経営は継がせないという方針を打ち出しており、後継者の育成にはそれなりに力を入れてきました。しかし、柳井氏に代わる後継者はなかなか見つからず、一度はトップに据えた玉塚元一氏(前ローソン会長)を事実上更迭して、自身がトップに返り咲くなど、後継者選びはうまく進んでいません。

 今回、柳井氏の子息が取締役に就任するということで、身内には継がせないという前言を撤回することになるのかと思われましたが、必ずしもそうではないようです。

 同社は、グローバルスタンダードに準拠したガバナンス体制が構築されており、経営と執行が完全に分離しています。現時点での取締役会において社内から参加しているのは柳井氏1人だけで、後はすべて社外取締役です。新しく取締役に就任する一海氏と康治氏は、あくまで取締役として同社を経営するということであり、いずれ執行のトップになるという人事ではないと解釈できます。実際、柳井氏も「息子2人はトップ経営者にはなりません」と発言しており、あくまで株主の代表として取締役会に参加するというスタンスです。

 したがって同社のトップは引き続き柳井氏が務めることになりますが、そうなってくると後継トップが誰なのかという問題はまだ解決しないままとなります。

 あえて言えば、一海氏と康治氏と共に取締役に就任する岡崎CFO(最高財務責任者)は後継者の有力候補の1人といえるかもしれません。柳井氏は現在69歳ですから、まだまだトップとして辣腕を発揮できますが、どんなにタフな人でも寿命はあります。同社はそろそろ、今後の経営体制について市場に説明する必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2018/10/30(火) 14:34
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