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障害者がブドウ栽培・醸造 11月3日、多治見でワインフェスタ

10/31(水) 9:58配信

福祉新聞

 愛知県の社会福祉法人AJU自立の家(野村純一理事長)は、障害者の経済的自立支援、地域活性化、地域住民との共生を目指し、ワイン事業に取り組んでいる。小牧市の障害者支援施設「小牧ワイナリー」で自家栽培・醸造したワインが楽しめるワインフェスタが11月3日、岐阜県の多治見修道院で開かれる。

 ワイン事業の始まりは、2001年に同修道院の要請を受け、ブドウ栽培を手伝ったこと。06年の障害者自立支援法施行に伴い、知的・精神障害者の就労支援の柱になった。

 最初に手掛けたのは、世界5カ国の修道院を巡って集めたワインの通信販売。12年にワイナリー設立計画を立て、耕作放棄地を借りてブドウの木を植えたり、職員を北海道のワイン醸造所に研修に行かせたりするなど準備を重ね、15年5月に就労継続支援B型(定員34人)と、就労移行支援(6人)からなるワイナリーを開設した。

 今では、3・4ヘクタールの畑で7種類のブドウを4トン以上生産できるまでになった。オーストラリアにも畑があり、自家栽培の6種類を含む約30種類のワインを販売。18年度は6700万円の売り上げ、月額平均工賃4万8000円を見込む。

 また、5月の葡萄酒祭り、9月の収穫祭、11月のワインフェスタは地域のイベントとして定着。特にワインフェスタは、3500人が来場する地域の一大イベントに発展し定着している。

 とはいえ、順風満帆ではない。16年度の売り上げは7200万円あったが、17年度は5400万円に減少。最大の理由はブドウの木の若さだ。「おいしいブドウが育つには10年かかる。うちは最も古い木で8年目。土壌改良に力を入れているが、あと2~3年はかかる」と川原克博施設長は話す。

 また、就労環境の改善も課題だ。ワイナリーには栽培、醸造、ラベル貼り、梱包、接客などさまざまな仕事があるが、大人数が必要な栽培は、炎天下の仕事も多く、作業時間や健康管理に万全の対策を講じたいという。

 「農福連携、ワインづくりは簡単にできない。売り上げが8000万円以上ないと経営的に厳しい」と話す川原施設長。そうした中でも地域の人がイベントに来てくれたり、土地の提供を申し出てくれたりするなど、つながりができたことが励みになっているという。

 経済的自立の支援に加え、地域活性化、地域住民との共生を目指したワイン事業は道半ば。川原施設長は「地域と一緒に夢を持ち続けたい」と話している。

最終更新:10/31(水) 9:58
福祉新聞

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