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緊急避妊薬(アフターピル)市販薬化の是非 市民的な議論は熟しているか?

11/1(木) 7:02配信

BuzzFeed Japan

昨年、緊急避妊薬の市販薬化が厚生労働省で議論され、否決されました。

市販薬化の見送りについて、今も大きな批判が続いていますが、果たして日本人は緊急避妊薬を市販で主体的に手に入れる準備ができているのでしょうか?

薬局薬剤師の視点から、考えます。
【寄稿:高橋秀和・薬局薬剤師 / BuzzFeed Japan Medical】

市販薬化に関する市民的な議論

「公・私の二元論」「お上意識」といった言葉で語られる日本人の国民性と、「公・共(パブリック)・私」の意識、人権を重視する欧州の文化は異なります。

「公(国や行政)」と「私」の間に、「共(コミュニティあるいは社会、またそこで共有される価値観)」の存在を意識する文化と違い、日本では規制緩和や市場化への期待が大きく、法や規制以外に言動を批判・制限されることを嫌う傾向があると指摘されます。

海外での緊急避妊薬の市販薬化は、フェミニズム団体から主張されることが多いようです。私は昨年来、ツイッターを中心に緊急避妊薬の市販薬化を求める議論を追っています。

日本のツイッターなどでフェミニストが主に言及していたのは、メディア等での「女性の客体化(女性の性的な部分だけを切り離してモノ化、商品化する)」や女性蔑視、マンガやアダルトビデオ作品における性加虐表現・子どもを性の対象として描くことへの批判でした。

その多くは「(性)表現の自由論者」とされる方たちとの対立構造の中で行われています。

緊急避妊薬市販薬化を主張する方たち(解禁派)の中には、表現の自由論者と主張の親和性が高い方が少なくありませんでした。

市販薬化の反対派・慎重派はどんな主張なのか

現状、日本では性行為や避妊方法の選択は男性優位の状況にあり、女性の主体性は確保されていません。

男性が消費している性的なコンテンツには膣内射精を願望の成就として描くなど、性行為に関するファンタジーに溢れ、そういった表現・理解は強化される一方である。

緊急避妊薬へのアクセスを拡大すべきという意見には同意するものの、市販薬化がその解決策かといえば不安がある。

そんな懸念を抱いている方が多くみられました。

指摘のとおり、日本は男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数」114位(144カ国中)であり、避妊方法の選択について男性主体の傾向が根強いことが厚労省の会議でも示されています。

「性行為の際に男性がコンドームをつけてくれず、困っている」という声が少なくない日本、性交中に合意なくコンドームを外す行為を性犯罪として法制化しようとする海外の動きを考えると、そういった懸念も理解できます。

未成年や学生の利用には保険適用とする、養護教諭が学生に交付できるようにするといった方法も確かに一案ですし、そうした案を採用する国もあります。現行の制度と市販薬化の二択でないというのは、その通りです。

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最終更新:11/1(木) 7:02
BuzzFeed Japan

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