ここから本文です

キャベツ湿布、”不妊症に効く”ハーブティ、おっぱい体操、助産師から勧められた?

11/1(木) 11:02配信

BuzzFeed Japan

キャベツ枕・キャベツ帽子について先日、記事を書きました。

IT Mamaの「もう試した?熱冷ましの新常識『キャベツ枕の驚くべき効果』」等、現在は削除された記事への批判で、大きな反響がありました。

その反響の中で見過ごせなかったのが、「助産師・保健師からキャベツがいいと指導された」、「助産師の教科書に載っていた」というものです。

母乳をあげている女性の乳房にトラブルが起きた際、「保冷剤では冷えすぎるのでキャベツで湿布するのがいい」と助産師が説明したというのです。

妊産婦さんに寄り添って専門的なケアをしてくださる助産師さんは、産前産後のケアには欠かせない存在です。

いったいどういうことなのでしょうか?
【寄稿:森戸やすみ・小児科専門医】

母性看護の教科書にも「キャベツ湿布」が

助産師教育機関で、教科書や参考書として使われていた『写真でわかる母性看護技術』(平沢美恵子・村上睦子監修、インターメディカ)を見たところ、以下のように説明が書いてありました。

”生理的緊満から病的緊満へと移行しそうな場合は、以下のように対処する(文献15)。
(中略)授乳と授乳の間は、乳房全体を冷湿布する(キャベツ湿布)
『写真でわかる母性看護技術』(インターメディカ)より”

その文章の隣には、乳首部分だけくり抜いたキャベツを両側のおっぱいにかぶせた写真がついています。

助産師の教科書ですから、赤ちゃんの外陰部や乳房の写真がバッチリ写っている本ですが、とりわけ衝撃的です。

この部分の参考文献になっている文献15とは、『NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編(2007)母乳育児支援スタンダード』(医学書院)という本。

その本に掲載されている文章はこうです。

室温もしくは冷蔵庫で冷やした生キャベツの葉を、乳頭・乳輪を隠さないようにして乳房に貼り付ける方法が、欧米でよく用いられている。RCT(無作為抽出対照試験)での結果は、緊満を解消するという実証はされていない。また、最近ではリステリア菌の報告もあり、慎重に使用したほうがいい。

『NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編(2007)母乳育児支援スタンダード』(医学書院)より

つまり、助産師の教科書が勧めているキャベツ湿布は、効果は確かめられていないと説明されており、意味は逆です。ラクテーション・コンサルタント協会は、この引用のされ方に抗議するべきではなかったでしょうか。

また、同協会は「慎重に使用したほうがいい」と結んでいますが、私は他に冷やすものはあるので、むしろ冷やすためにあえてキャベツを選ぶべきではないと思います。

リステリア菌感染症というのは、健康な大人ならほとんどが吐いたり下痢をしたりといった消化器症状が出るだけです。

しかし、生後まもない赤ちゃんは菌血症や髄膜炎を起こすことがあります。

リステリアは土壌や河川、下水、動物の腸管内にいる細菌。食物加工の際に、混入することがあり、ときどき集団感染症の原因としてニュースで取り上げられます。免疫不全者・高齢者・妊産婦・新生児では死亡率が20~30%となる感染症だということを医療関係者なら知っているべきです。

1/3ページ

最終更新:11/1(木) 14:50
BuzzFeed Japan

あなたにおすすめの記事