ここから本文です

サウナーが言う「ととのう」ってどういう状態?「最強の温泉習慣」著者のドクターに聞いた

11/2(金) 12:00配信

新R25

「頭がぐるぐる回る」って言う人がいるけど、大丈夫なの?

編集部・N:
ウチの編集長が「ととのう」感覚のことを、「めまいがする感じで、頭がぐるぐる回る」「天井と地面がくっつき、溶けるような感覚になる」と言っているのですが、これは危険ではないのでしょうか?

一石先生:
危険ですね。

それは生理学的に言えば、血圧が急上昇する「血圧サージ」や、急激な温度変化で血圧の乱高下を引き起こす「ヒートショック現象」だと考えられます。

血圧の急な低下は、めまいを誘発したり各臓器を酸欠にしたりして機能不全を引き起こします。脈拍が急激に変動して心臓が苦しくなったり、不快感や吐き気を感じたり、意識が朦朧(もうろう)としたり。

編集部・N:
ひえ~! サウナ好きの編集長は「いつも頭がぐるぐる回って、たまに気持ち悪くなる」と言いながらも、しょっちゅうサウナへ行ってるんですよ…

一石先生:
編集長には率先して先ほどの「サウナの適正使用」を守ってほしいですね(笑)。

温冷交代浴には血管のマッサージ作用によって脳内の酸素や栄養、老廃物などの新陳代謝が促進されるメリットがある一方で、血管の急激な伸縮が起こるリスクに気をつける必要がありますからね。

編集部・N:
血管が急激に伸縮すると、身体にどんなことが起こるんですか?

一石先生:
中高年や高齢の方は血管が破れたり、血管の血栓がはがれて詰まったりする可能性があります。

また、年齢に関係なく脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まりますので、サウナと水風呂の間にかけ湯をおこなうなど、できるだけ急激な温度変化を避けた方がよいでしょう。

サウナや水風呂では事件も。快楽には危険が隣り合わせだということを認識しよう

編集部・N:
「ととのう」感覚は気持ちがいい一方で、正しい方法で入らないと危険もいっぱいですね…

ちなみにですけど、サウナ以外でも「ととのう」感覚を味わう方法があったりするんでしょうか?

一石先生:
似たような生理学的条件であれば、急激な温度差を体感することができる滝行や護摩(ごま)行でも味わえるかもしれませんね。

私はどちらも体験していないので、確かなことは分かりませんけど(笑)。

編集部・N:
どちらも苦行だ…。それならサウナに入るほうがいいです(笑)。

一石先生:
いずれにしても、交互浴は「血圧サージ」や「ヒートショック現象」を引き起こす可能性があるので、身体にはとても負荷がかかっている状態です。

気をつけないと、本当に天と地がひっくり返り、本当にあの世に溶けていってしまうかもしれませんよ。

編集部・N:
その表現は怖すぎます…(笑)。ほかにも注意すべきことはありますか?

一石先生:
そうですね。当たり前のことですが、

・飲酒後にサウナに入らないこと
・水分補給はこまめにおこなうこと
・体調に異変を感じたら通常の室温で座るか横になること
・早めに誰かに異変を伝えること

などは意識すべきです。

編集部・N:
知り合いでなくても、自分以外の誰かがサウナに入っている状況の方が安心ですね。

一石先生:
そうですよ。実際、高温のサウナ室で意識不明になって気づかれなかったり、水風呂で知らない間に浮いた状態で発見されたりといった事件も起こっていますから。

また、水風呂で調子が悪くなって、あわてて高温のサウナに駆け込むなんてしたらダメですよ。状態がさらに悪化します。

編集部・N:
特に冬場は、寒くなったらやっちゃいそうです…

一石先生:
サウナに限らず、登山や海水浴といった楽しいことや気持ちの良いことは、危険が隣り合わせにあると認識することが大事です。

くれぐれも自己管理には注意を払いましょう。

サウナと水風呂の交互浴で体験する気持ちのいい感覚は、脳内で快楽物質が分泌されたり、自律神経が整えられたりすることが関係していることが分かりました。

先生に聞いた注意点を守りながら、あなたも「ととのう」感覚を味わいに「サウナ、イカナイ?」

〈取材・文=新R25編集部/イラスト=石井あかね〉

3/4ページ

最終更新:11/2(金) 12:00
新R25

あなたにおすすめの記事