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高額治療を売り込む医療機関も 「怪しい広告」が表示される検索サービスの現状

2018/11/2(金) 15:00配信

BuzzFeed Japan

「良い広告」と「医学的に正しい情報」

医療・健康に関する検索結果は、2017年12月に実施されたGoogleのアップデートにより「医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすく」(公式ブログ)なったはずだった。

しかし、これはあくまでも広告を除いた話だった。小西さんは検索連動型広告について、こう説明する。

「広告主側が積極的に費用を投じているような場合、広告が出やすくなることはあり得ますが、よく表示される広告というのは現実に検索ユーザーが求めるものでもあり、検索連動型広告はそういう広告が優先的に表示される仕組みでもあります」

つまり、検索連動型広告は、利用者の「需要が高い」と判断した広告を出す。それが、必ずしも医学的に正しいものとは限らない。

「免疫療法と検索したときにこのような広告がたくさん出るなら、免疫療法と検索する利用者に、このような広告が求められているということでしょう」(小西さん)

医療や健康に関する情報は、人々が切実にそれを求め、また行動につながりやすいことから「検索連動広告と非常に相性がいい」(小西さん)。

そして、実際に購買などの行動につながった広告は「良い広告」とシステムに判断される可能性がある。それが医学的に根拠に乏しいものだったとしても。

「AIなどのテクノロジーの進化には目を見張るものがありますが、システムが判断する“良い広告と悪い広告”というものが、人が判断する“良い広告と悪い広告”と一致するかというと、現状ではまだ、必ずしもそうはなっていないでしょう。そもそもその判断は人によっても異なるわけですが」

変わる「ネット広告」の仕組み

この「テクノロジーの進化」は、ネット広告の仕組みを大きく変えつつある、と小西さんは説明する。

グーグルは世界最先端の企業であり、提供する広告にも「単に“検索したキーワードに関連した広告”という説明では補いきれない進化が見られる」という。

「検索したキーワードだけでなく、利用者がグーグルに提供した情報も加えて、広告が表示されている現状があります」(小西さん)

「利用者がグーグルに提供した情報」とは何か。ネットに接続していれば、グーグル製品との関わりは避けられない。ウェブブラウザのGoogle Chrome、スマートフォンのAndroid、Google マップやカレンダー、Gメールなど、生活に根づいたものばかりだ。

これらに入力された情報は「拒否する設定にしていない限り、そのほとんどが広告の配信に利用されていると思っていい」と小西さんは指摘する。

グーグルの広告プライバシーについてのページには、以下のように明記されている。

“Googleでは、端末から収集したデータを利用して、有用性の高い広告を表示したいと考えています。

端末から収集したデータには、検索、位置情報、アクセスしたウェブサイトや使用したアプリ、視聴した動画や広告、またGoogleに登録されている個人情報(年齢層、性別、興味や関心など)が含まれます。”

「Google マップから、“毎朝ここに行ってて、毎晩ここに帰ってきている”という情報がわかる。つまり、会社と自宅の場所がわかってしまうわけです。すると、職業、そしておおよその収入も推定できることになります」(小西さん)

実際に、グーグルの広告には、「広告主側が広告を見せる相手を、世帯収入でターゲティングするものがある」という。

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最終更新:2018/11/2(金) 15:00
BuzzFeed Japan

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